2020年8月 三嶺剣山縦走登山

三嶺から剣山へ縦走登山してきました。
今年はコロナウイルスの影響で大変な年になりましたね。
私個人としては、せっかくチケットのとれた東京オリンピックの延期を皮切りに
予定していた旅行、楽しみにしていたスポーツイベントが全て中止。
本来ならいろいろなところに遊びに行く予定だったものが、
全て無くなってしまいました。
幸い今のところはコロナウイルスの感染も無く、
普通に生活できるだけありがたいと思っています。
登山に関しても今年は7月の連休に白馬岳、
9月の連休には剱岳への登山を計画していましたが、
県外への不要不急の移動の自粛にならい、全て白紙とさせていただきました。
「それなら、そろそろ県内での登山は良いだろう」
との個人的見解で、8月末に地元四国の剣山に登りに行くことにしました。

剣山(つるぎさん) 標高1955m
名前は似ているけど、富山県にある北アルプスの剱岳(つるぎだけ)とは
似ても似つかぬ穏やかな山(笑)
それでも、三嶺から剣山に繋がる縦走路は四国屈指の人気縦走路。
私も以前から歩いてみたいと思っていた場所です。
【1日目 前半】

【AM7:20 三嶺登山口 出発】
登山口の名頃駐車場に車を停めて登山開始。
朝の気温20℃、下界と比べたら全然涼しい。

しばらくは単調な樹林帯。
登山口で一緒になった、トレラン装備のおじさんと話しながら歩く
(もちろん、ソーシャルディスタンスを保ちながら)
県外から山に走りに来たというこの登山者。
三嶺のことは知らないというので、私もこの山は初めてと前置きしたうえで
山頂までの参考コースタイム・間違いやすい分岐などを説明した。
その後、テント泊装備の私とトレラン装備のおじさんでは歩くスピードが全く違うので
すぐに先に行ってしまった。

道は一旦、林道に出て。

すぐ右に三嶺山頂につながる登山道の標識がある。
ココ!間違いやすい分岐です!!
標識を見落として真っすぐ林道を進んでも行き止まりですから気を付けて下さい。
(林道の行き止まりから登山道に出る道は、地図では廃道になっています)

【AM9:00 ダケモミの丘】
登山開始から約1時間半。すでに滝のような汗を流しながらダケモミの丘に到着。
すると道の脇から、登山口で一緒になったトレランおじさん登場。
話を聞くと、林道の分岐を間違えて直進。
林道の行き止まりで地元工事関係者に止められ、それからは道では無いようなところを尾根に向けて上がってきたらしい。
なんとか登山道に合流できたと、本人もホッとしてたけど
「それって一つ間違えれば遭難じゃん!?」
(私も登山口で林道の分岐は説明したのに・・・)
本人が地図やコンパスなどを持っていたかは知りませんが、どんな山でも油断は禁物ですね。(私も気を付けたいと思います)
そのあと、そのおじさんも自ら反省して慎重に目印を確認しながら登っていかれました。無事に三嶺登山を楽しんでくれれば良いですね。

【AM9:50】
登山開始から2時間半。ようやく景色の開けた稜線に出る。
2000mを超える山は無いが、緑が豊かな尾根が続く。あれが縦走路だろうか?

途中にある水場の表示。ザレていて道は悪そう。
今回は1泊2日の登山で水4リットルを担いで上がることにした。
トレーニングの意味合いもあるが、渇水で水場での水の確保に少し不安があった為だ。
ここまでの登りで消費水分は500ml。まだ水の余裕はあるので先へ進む。

景色はいいが、登りはキツイ。

【AM10:20 三嶺ヒュッテ分岐】
ここまで3時間。ようやく、お目当ての一つだった三嶺・“天空の池”に到着。

近くで見るとこんなんだけど・・・

すこし遠目から見ると美しい。
「天気が良ければ、もっと綺麗だよ」と近くの登山者。
正式名所は「見残池」と言うらしい。三嶺を代表する景観。

見残池のすぐとなりにある、三嶺ヒュッテ。

無人の避難小屋だけど、清潔で明るくて、しかも広い!
2階も使えるので大人数でも大丈夫そう。
ここで1時間ほど休憩を取る。
実はここにたどり着くまで、寝不足と暑さでバテバテ・・・
小屋の中は涼しいので、横になって少し寝る。

今回は1泊2日の夏山テント泊登山なので、グレゴリーの40Lのリュック「Z40」
登山装備自体は10㎏以下に抑えたが、水と食料でプラス5㎏の計15キログラム。
テント泊ながらコンパクトにパッキングできたけど、やはり重い・・・

三嶺ヒュッテから三嶺山頂までは、わずか300mほど。
ヒュッテでの休憩で体力も回復した。
西の空が微妙に怪しい、この日の天気は夕方から一時雨模様の予報。

【AM11:30 三嶺山頂 到着】
三嶺(みうね) 標高1894m
高知県と徳島県にまたがる山。日本二百名山、および四国百名山。
高知県では「さんれい」とも呼ばれるが、地元では古くから「みうね」と呼んでいた文献が残っており正式名称は「みうね」という。(引用文)

山頂は広く、緩やか。他に5名ほどの登山者が休憩している。
四国でも人気の山であることがわかる。

山頂からは他の山に繋がる縦走路も眺められる。

どれが最終目的地の剣山か分からなかったので、他の登山者にたずねてみたが
この写真にも写りきっていない、もっと先だって。

剣山まで残り17km・・・

白髪避難小屋 野営地
【1日目 後半】

【AM11:40 三嶺山頂 出発】
三嶺山頂をあとにして、本日の野営地・白髪避難小屋へとむかう。

山頂からの下りは割と急な斜面。
数カ所ほどの鎖場が設置されている。

特別危険なところはないが、鎖をつかみながら慎重に下りる。

「天狗岩」前。
あの岩の上で写真を撮っている人を他のサイトで良く見かける。
今回は一人なので写真は無理か・・・(笑)
その先は目的地へと続く、縦走路。

とりあえず最下部と思われるところまで下りてきた。
見返すと三嶺の堂々とした姿。
剣山→三嶺の縦走だと、ここからの登りが最後の難関と言ったところだろうか?

【PM12:30 カヤハゲ付近】
リュックをおろして、ここらで昼食。
朝、コンビニで買ってきたおにぎりを食べる。
この場所は風が通って涼しい。天気も少し曇りがちな分、日差しも優しく感じられる。

見晴らしの良い眺め。
写真一番右端の尾根が本日の野営地、白髪避難小屋。
そして、写真の一番左端に見える山影が明日の最終目的地、剣山。
「まだ、遠いな・・・」

【PM13:00】
三嶺から3.2キロ地点の標識。誰がつけたのか鐘がついている。
四国の中心で鐘を鳴らす 「チリーン・・・」
本当は思いっきり鳴らしてみたかったが、近くに他の登山者が居たため遠慮してしまった(笑)

昼の休憩後、しばらくは緩やかな道がつづく。
ただこの辺りは背丈ほどのススキやカヤが行く手を阻む。
藪漕ぎと言うほどではないが、踏み跡が見にくいため道を見失わないように歩く。

白髪山山頂への分岐を過ぎると白髪避難小屋が見えてきた。
遠目に見ても、キャンプ地としては素晴らしいロケーションなのが良くわかる。
見たところ、まだテントを張っている人の姿は見られない。

【PM13:40 白髪避難小屋 到着】
名頃登山口から約6時間半。三嶺山頂からはちょうど2時間で到着。
今日の行程はここまで。ほぼ自分でたてた計画通りの到着時間だった。

ちなみにこれが避難小屋内部。
三嶺ヒュッテと比べると、なんだか暗くてカビくさい・・・
それでも中は10畳ほどの板間で、雨風を凌いで泊まるには十分な設備だ。

そして、本日の我が家。

「fine track カミナドーム2」
野営場1番乗りで、おそらく一番いい場所に設営しちゃいました。

もともと二人用のテントなので、一人で使うと中は広々です。

テントの設営が出来たので、今度は水の調達。
水場の標識がある。「南へ だいたい50m」

水場までは、けっこう急な斜面を下りる。体感では200mぐらいは歩いた気がする。
それでも谷沿いの岩場の隙間から、水はちゃんと湧いていた。
三嶺ヒュッテの休憩時に、白髪方面から来ていた登山者に水が出ているとの情報を得ていたが貴重な水場なのでちょっと安心。
これで水の量を気にせずに喉を潤す事ができる。
湧き水は思いのほか冷たくて、うまかった。

その後、野営地では夕方4時ごろより雨が降り出す。
天気予報通りだが、おかげでここまで濡れずに登れて、テントの設営も間に合った。
「朝3時に早起きして、家を出てきた甲斐もあったな」
後続の登山者たちは、ここまで来る道中でかなり降られたらしい。
皆、急ぎ足で避難小屋に入っていった。

雨が小降りになったのを見計らって、晩飯の用意。
本日の夕食は、コンビニの塩むすびに粗びきソーセージ。〆にインスタントラーメン。
私の山飯はこれだけあれば御馳走だ。

食事が終わるころには、雨も止んで空が明るくなってきた。

雲がみるみるうちにはれて、明るくなってくる。

ずっと雲に隠れていた三嶺も、やっと姿を見せてくれた。

この瞬間は、すごく幻想的で綺麗だった。
そして、しばらくすると西の空が焼けはじめる。

この間はただテントの外で景色を眺めているだけだった。
移り変わる空の色を眺めているだけで時間を忘れる、最高の贅沢。。。

【PM18:30】
そしてこの日、最高のゴールデンタイム。

他の登山者の方も、この夕暮れを楽しんでおられました。
ソロなので、写真の被写体はだいたい他の人の背中をお借りします。
(あとテントの写真が多いのは、元キャンパーのサガです・・・)
個人的には、この「白髪避難小屋・野営地」
めちゃくちゃ気にいりました!
ロケーションも最高で、ここから見る三嶺の姿はとても美しい。
登山口からわずか(?)6時間ほどで、まわり360度を大自然に囲まれた場所で過ごす時間は何事にも代え難い。
ホント、周囲に避難小屋以外に目に入る人工物が全く見当たらない。
しかも水場と避難小屋があるから、安心して野営することが出来ます。(トイレはありません)
便利なオートキャンプ場も良いですが、全く違った趣きの良さがありますね~
「いいトコ見つけたので、また来よっと」

【PM20:00 就寝】
このまま、夜は綺麗な星空を期待していましたが
残念ながら夜は霧に包まれてガスガス・・・
早めに就寝します。
「おやすみなさい」

Road to “JIROGYU”
【2日目 前半】

【AM5:00 起床】
テントから顔を出すと東の空が明るくなっていた。
昨晩は夜12時ごろ、辺りの足音に眠りを覚まされる。
気付いたらテントの周りを野生の鹿たちに囲まれていた。
テントの外に食料は出していないはずだが、どうやら近くで草を食べているようだ。
バリバリ、ムシャムシャ。眠気が吹っ飛ぶような凄い音がする。
(これが北アルプスで熊に囲まれていたら怖かっただろうな・・・)

昨晩のガスも明け方にははれて、綺麗な朝焼けが見える。
朝は少し冷える、と言ってもTシャツの上に薄いライトダウンを羽織る程度でちょうど良い気候。爽やかな朝。

【AM5:50】
野営場からの御来光。

ここからだと、雲海や山裾から上る御来光は拝めない。
が、木々の間から太陽が昇ってきた。

すぐに空が明るくなり、遥か彼方の雲海まで見える。


朝陽に照らされた三嶺が綺麗だ。
(改めて感じたが、三嶺って本当に綺麗な山ですね。)
三嶺を眺めながら朝食を頂き、10分ほどかけてテントを撤収する。
ここでの昨日からの利用者は私を含めてテント3張り。
避難小屋には5名ほど泊まっていたようだ。

【AM6:20 白髪避難小屋 出発】
十二分に景色を楽しませてくれた白髪避難小屋の野営地をあとにする。

【AM6:30 平和丸】
林を抜けて、見晴らしのいいところに出ると、そこが“平和丸”。

高知県側の山脈がはるか遠くまで見通せる。

そして正面には笹で覆われた、緑の優しくたおやかな稜線。
まさに「これが四国の山の縦走路」といった風情。
視界360度のパノラマロード。

縦走路の真っすぐ先には、次郎笈の山影が見えた。

道はその後、ゆったりとした上り下りを繰り返す。
斜面の巻道は道幅も狭く、笹の植生で足元がわかりづらい。
道を踏み外して谷側に滑り落ちないように、足の置場を確認しながら進む。
(念のため持ってきたトレッキングポールが足元の笹をかき分けるのに便利だった)

【AM8:00 高ノ瀬】
標高1740.8m
ここで少し休憩。

今回のトレッキング用に買った“シリオ”の靴「PF156-3」
昨日の雨と朝露に濡れた笹のせいで、ズボンから靴までびしょ濡れ・・・
防水は効いてないようなので、靴下が絞れるほど浸水していた(笑)

先は長いのでサクサクと進む。
遠くに見えていた次郎笈もだんだんと近づいてきた。

【AM9:00 奥祖谷二重かずら橋への分岐】
ここから2.4㎞ほどで、二重かずら橋に下りられる。
三嶺剣山縦走のエスケープルートとして使えそう。
(なんか、かずら橋観光の通行料は取られるみたい)

分岐のすぐ近くにある“丸石避難小屋”
造りは白髪避難小屋とほとんど一緒。
(ただ、ここには水場が無く、不人気小屋という話も聞きました)

【AM9:30 丸石】
標高1683.9m
出発の白髪避難小屋(標高1692m)からここまで約3時間。
大した標高差も無く、とてもなだらかな縦走路であることがよく分かる。

ところがこの縦走路、そんなに甘い訳では無い。

ここから次郎笈への最後の登りが待ち受ける。
いきなりの急登にかなり、へばる・・・

そして、ようやく次郎笈山頂直下。

【AM11:00 次郎笈山頂 到着】
標高1930m
次郎笈は、まだ小さかった子供たちを連れて登りに来て以来
11年ぶり2回目の登頂。
その時の過去記事がブログに残っていました。
「2009年6月 剣山に登りに行ってきました」
(もう、あれから11年も経つのか・・・)
次郎笈の頂上は小さな子供を連れた家族連れで賑わっていた。
これまでの縦走路とは全く違う雰囲気。
事実、剣山から次郎笈まではお子様の脚でも楽しめる人気のコース。

山頂でしばらく休憩していると、ガスがはれて最終目的地・剣山の姿が見えてきた。
いざ、今回の縦走、最後のピーク“剣山”に向かう。

剣山 標高1955m
剣山(つるぎさん)は標高1955mの山で、徳島県の最高峰。
同じく四国山地の石鎚山についで、近畿以西の西日本では2番目の高峰である。
日本百名山に選定され、徳島県では県のシンボルとされている。
修験道の山として古くから知られ、山岳信仰の対象として剣神社・大剣神社などがある。
別名を「太郎笈(たろうぎゅう)」と呼ばれ、南西側に対峙する「次郎笈(じろうぎゅう)」は兄弟峰。
リフトを使えば、起点の見ノ越駅から山頂近くの標高1750mまで上がることができるので、自分の体力やレベルに合わせて誰でも登山やハイキングに挑戦することが出来ます。
(引用文)
【2日目 後半】

次郎笈から剣山までは、片道1時間ほど。
見晴らしの良い尾根を歩いていくので家族連れやおしゃれな格好をした山ガールさん、年配のハイカーの方も多い。
しかし、2日間縦走してきて流石に最後の登りは堪える・・・

左手には、今日歩いてきた縦走路。

そして振り返ると次郎笈の姿。
次郎笈もなかなかドッシリとした堂々たる山容。
三嶺の縦走路からの眺めは、むしろ剣山より目立って見えた。

次郎笈の山頂からちょうど1時間。
最後の木道を登ると

【PM12:40 剣山山頂 到着】
三嶺の山頂から17km。
今日の白髪避難小屋から約6時間半。
ようやく、三嶺~次郎岌~剣山の三山登頂達成!

頂上は登山客。というか軽装の観光客で一杯。
剣山は見ノ越の登山口からリフトを使えば、わずか1時間ほどで登頂できるので
天気の良い週末のこの日は、ハイキングを楽しみに来ていた人が多かったです。

剣山の山頂付近は遊歩道や展望テラスが整備されていて、
山頂でのお弁当を楽しむには絶好の場所。
標高2000m近い山の上で、綺麗な空気を吸いながらのハイキングは
コロナ自粛で我慢していた人たちにとっては最高の休日ですね。

剣山頂上ヒュッテ。
ここは有人の山小屋に食堂や売店がある。
「ここまで来て、この登山初の売店!」
ここまでの道中は売店はおろか自然以外、何もありませんでしたから。
久しぶりに文明の香りを嗅いだ気がする(笑)

剣山ヒュッテではキンキンに冷えた三ツ矢サイダーを購入。
まずは今回の縦走達成に乾杯。

それと昼飯のラーメンに昨日の残りのソーセージぶっ込み。
ソーセージ入りチキンラーメン

山頂で食べるラーメン最高!

【PM13:50】
「さて、そろそろ下山しますか」
ヒュッテ横の剣山本宮宝蔵石神社をお参りして下山にとりかかる。

剣山にはいろいろな登山ルートがあるが、
下山は最短ルートの「尾根ルート」を選択。

最短ルートだと、わずか20分ほどでリフト乗り場の「西島駅」に到着。
“剣山観光登山リフト”は登山口からここまでわずか15分でたどり着ける、まさに文明の利器!
私も過去3回の剣山登山では毎回、利用させてもらっています(汗)

かなりリフトに乗りたい衝動に駆られましたが、
せっかくここまで自分の脚で歩いてきましたから大人しく下山道に向かいます。
登山口の見ノ越までは1350m。

途中の西島キャンプ場を視察。
眺め良し。けっこう広くて、プライベート感のあるいいサイト。
(近くに水場もトイレもあるそうですよ、しかも設営無料!)
見ノ越の駐車場からリフトでたった15分。
重い荷物背負ってこなくても気軽に山キャンプが出来る。
「白髪避難小屋といい、なんでこんな良い場所を今まで気づかなっかたのだろうか!?」

そんな事を考えているうちに、リフト乗り場が見えてくる。
ゴールはもうすぐそこ。

【PM15:00 見ノ越 到着】
ゴールの剣山登山口、見ノ越に到着。
登山口は剣神社の参道になっている。
「とりあえず」 2日間にわたる三嶺剣山縦走、無事完了。
そう、「とりあえず・・・」

ここ“見ノ越駐車場”から昨日出発した“名頃駐車場”までは自転車で戻る。
公共の交通機関はバスが走っているが、本数が少ないらしい。
ここから名頃駐車場までは約10キロの距離。
昨日の登山前にデポしておいた自転車を確保する。
「鍵は掛けていたが、盗まれていなくて良かった~」
(もう、ここから10キロ歩く気力は無い)
距離にして10キロと言うものの、名頃駐車場まではほぼ下りのダウンヒル。
ソロの縦走者は、皆さんこの方法を使う人が多いようです。
(間違っても逆のルートにしないようにね)

【PM15:30 名頃駐車場 到着】
無事、名頃駐車場に到着。
自転車での10キロのダウンヒルは30分もかからない。
風を切って下るのは最高に気持ちいい!
到着の証拠に車のガラスで自撮り・加工あり(笑)
これにて、今回の縦走登山は全て終了。
正直、北アルプスのトレーニング気分で計画した今回の山行だったが
四国の山の素晴らしさを認識させられた登山になった。
そして思いのほかキツかった・・・
「コロナ自粛で身体がナマッテルのかな~?」
【編集後記】
コロナ禍の影響で計画していた北アルプスに行けず、今年の初登山は四国の山になった。
四国での登山はハイキング程度でしか経験がなかったが、今回は初めての縦走登山。
三嶺から剣山の縦走路は以前から知ってはいたが、実際に歩いてみると想像よりもはるかに素晴らしく、いい意味で期待を裏切られた。
北アルプスとは違って森林限界点を超える山は無いので緑あふれる優しい雰囲気の景色が多く、笹に覆われた穏やかな登山道を歩くのは思いのほか楽しかった。
道は整備はされているが、登山客の多い有名な山にくらべてはるかに野趣に溢れ、笹やカヤをかき分けて進む場所も多かった。
三嶺と剣山は大きな標高差もなく基本的になだらかな縦走路が続く印象だが、小さなアップダウンの間に急登や鎖場も出てくるので登っていて飽きることはない。
ただ、道中に有人の山小屋や売店が無い為に水や食料の調達には気を使った。
それでも人工物の少ない野営場での一泊は景色も良く、最高だった。

今まで足の向くことの無かった四国の山だが、11月中旬から雪に閉ざされる北アルプスと違い、これから秋に向けて登山シーズンも真っ盛り。
また四国の他の山にも登ってみたいと思える今回の山行だった。
私個人としては、せっかくチケットのとれた東京オリンピックの延期を皮切りに
予定していた旅行、楽しみにしていたスポーツイベントが全て中止。
本来ならいろいろなところに遊びに行く予定だったものが、
全て無くなってしまいました。
幸い今のところはコロナウイルスの感染も無く、
普通に生活できるだけありがたいと思っています。
登山に関しても今年は7月の連休に白馬岳、
9月の連休には剱岳への登山を計画していましたが、
県外への不要不急の移動の自粛にならい、全て白紙とさせていただきました。
「それなら、そろそろ県内での登山は良いだろう」
との個人的見解で、8月末に地元四国の剣山に登りに行くことにしました。

剣山(つるぎさん) 標高1955m
名前は似ているけど、富山県にある北アルプスの剱岳(つるぎだけ)とは
似ても似つかぬ穏やかな山(笑)
それでも、三嶺から剣山に繋がる縦走路は四国屈指の人気縦走路。
私も以前から歩いてみたいと思っていた場所です。
【1日目 前半】

【AM7:20 三嶺登山口 出発】
登山口の名頃駐車場に車を停めて登山開始。
朝の気温20℃、下界と比べたら全然涼しい。

しばらくは単調な樹林帯。
登山口で一緒になった、トレラン装備のおじさんと話しながら歩く
(もちろん、ソーシャルディスタンスを保ちながら)
県外から山に走りに来たというこの登山者。
三嶺のことは知らないというので、私もこの山は初めてと前置きしたうえで
山頂までの参考コースタイム・間違いやすい分岐などを説明した。
その後、テント泊装備の私とトレラン装備のおじさんでは歩くスピードが全く違うので
すぐに先に行ってしまった。

道は一旦、林道に出て。

すぐ右に三嶺山頂につながる登山道の標識がある。
ココ!間違いやすい分岐です!!
標識を見落として真っすぐ林道を進んでも行き止まりですから気を付けて下さい。
(林道の行き止まりから登山道に出る道は、地図では廃道になっています)

【AM9:00 ダケモミの丘】
登山開始から約1時間半。すでに滝のような汗を流しながらダケモミの丘に到着。
すると道の脇から、登山口で一緒になったトレランおじさん登場。
話を聞くと、林道の分岐を間違えて直進。
林道の行き止まりで地元工事関係者に止められ、それからは道では無いようなところを尾根に向けて上がってきたらしい。
なんとか登山道に合流できたと、本人もホッとしてたけど
「それって一つ間違えれば遭難じゃん!?」
(私も登山口で林道の分岐は説明したのに・・・)
本人が地図やコンパスなどを持っていたかは知りませんが、どんな山でも油断は禁物ですね。(私も気を付けたいと思います)
そのあと、そのおじさんも自ら反省して慎重に目印を確認しながら登っていかれました。無事に三嶺登山を楽しんでくれれば良いですね。

【AM9:50】
登山開始から2時間半。ようやく景色の開けた稜線に出る。
2000mを超える山は無いが、緑が豊かな尾根が続く。あれが縦走路だろうか?

途中にある水場の表示。ザレていて道は悪そう。
今回は1泊2日の登山で水4リットルを担いで上がることにした。
トレーニングの意味合いもあるが、渇水で水場での水の確保に少し不安があった為だ。
ここまでの登りで消費水分は500ml。まだ水の余裕はあるので先へ進む。

景色はいいが、登りはキツイ。

【AM10:20 三嶺ヒュッテ分岐】
ここまで3時間。ようやく、お目当ての一つだった三嶺・“天空の池”に到着。

近くで見るとこんなんだけど・・・

すこし遠目から見ると美しい。
「天気が良ければ、もっと綺麗だよ」と近くの登山者。
正式名所は「見残池」と言うらしい。三嶺を代表する景観。

見残池のすぐとなりにある、三嶺ヒュッテ。

無人の避難小屋だけど、清潔で明るくて、しかも広い!
2階も使えるので大人数でも大丈夫そう。
ここで1時間ほど休憩を取る。
実はここにたどり着くまで、寝不足と暑さでバテバテ・・・
小屋の中は涼しいので、横になって少し寝る。

今回は1泊2日の夏山テント泊登山なので、グレゴリーの40Lのリュック「Z40」
登山装備自体は10㎏以下に抑えたが、水と食料でプラス5㎏の計15キログラム。
テント泊ながらコンパクトにパッキングできたけど、やはり重い・・・

三嶺ヒュッテから三嶺山頂までは、わずか300mほど。
ヒュッテでの休憩で体力も回復した。
西の空が微妙に怪しい、この日の天気は夕方から一時雨模様の予報。

【AM11:30 三嶺山頂 到着】
三嶺(みうね) 標高1894m
高知県と徳島県にまたがる山。日本二百名山、および四国百名山。
高知県では「さんれい」とも呼ばれるが、地元では古くから「みうね」と呼んでいた文献が残っており正式名称は「みうね」という。(引用文)

山頂は広く、緩やか。他に5名ほどの登山者が休憩している。
四国でも人気の山であることがわかる。

山頂からは他の山に繋がる縦走路も眺められる。

どれが最終目的地の剣山か分からなかったので、他の登山者にたずねてみたが
この写真にも写りきっていない、もっと先だって。

剣山まで残り17km・・・

白髪避難小屋 野営地
【1日目 後半】

【AM11:40 三嶺山頂 出発】
三嶺山頂をあとにして、本日の野営地・白髪避難小屋へとむかう。

山頂からの下りは割と急な斜面。
数カ所ほどの鎖場が設置されている。

特別危険なところはないが、鎖をつかみながら慎重に下りる。

「天狗岩」前。
あの岩の上で写真を撮っている人を他のサイトで良く見かける。
今回は一人なので写真は無理か・・・(笑)
その先は目的地へと続く、縦走路。

とりあえず最下部と思われるところまで下りてきた。
見返すと三嶺の堂々とした姿。
剣山→三嶺の縦走だと、ここからの登りが最後の難関と言ったところだろうか?

【PM12:30 カヤハゲ付近】
リュックをおろして、ここらで昼食。
朝、コンビニで買ってきたおにぎりを食べる。
この場所は風が通って涼しい。天気も少し曇りがちな分、日差しも優しく感じられる。

見晴らしの良い眺め。
写真一番右端の尾根が本日の野営地、白髪避難小屋。
そして、写真の一番左端に見える山影が明日の最終目的地、剣山。
「まだ、遠いな・・・」

【PM13:00】
三嶺から3.2キロ地点の標識。誰がつけたのか鐘がついている。
四国の中心で鐘を鳴らす 「チリーン・・・」
本当は思いっきり鳴らしてみたかったが、近くに他の登山者が居たため遠慮してしまった(笑)

昼の休憩後、しばらくは緩やかな道がつづく。
ただこの辺りは背丈ほどのススキやカヤが行く手を阻む。
藪漕ぎと言うほどではないが、踏み跡が見にくいため道を見失わないように歩く。

白髪山山頂への分岐を過ぎると白髪避難小屋が見えてきた。
遠目に見ても、キャンプ地としては素晴らしいロケーションなのが良くわかる。
見たところ、まだテントを張っている人の姿は見られない。

【PM13:40 白髪避難小屋 到着】
名頃登山口から約6時間半。三嶺山頂からはちょうど2時間で到着。
今日の行程はここまで。ほぼ自分でたてた計画通りの到着時間だった。

ちなみにこれが避難小屋内部。
三嶺ヒュッテと比べると、なんだか暗くてカビくさい・・・
それでも中は10畳ほどの板間で、雨風を凌いで泊まるには十分な設備だ。

そして、本日の我が家。

「fine track カミナドーム2」
野営場1番乗りで、おそらく一番いい場所に設営しちゃいました。

もともと二人用のテントなので、一人で使うと中は広々です。

テントの設営が出来たので、今度は水の調達。
水場の標識がある。「南へ だいたい50m」

水場までは、けっこう急な斜面を下りる。体感では200mぐらいは歩いた気がする。
それでも谷沿いの岩場の隙間から、水はちゃんと湧いていた。
三嶺ヒュッテの休憩時に、白髪方面から来ていた登山者に水が出ているとの情報を得ていたが貴重な水場なのでちょっと安心。
これで水の量を気にせずに喉を潤す事ができる。
湧き水は思いのほか冷たくて、うまかった。

その後、野営地では夕方4時ごろより雨が降り出す。
天気予報通りだが、おかげでここまで濡れずに登れて、テントの設営も間に合った。
「朝3時に早起きして、家を出てきた甲斐もあったな」
後続の登山者たちは、ここまで来る道中でかなり降られたらしい。
皆、急ぎ足で避難小屋に入っていった。

雨が小降りになったのを見計らって、晩飯の用意。
本日の夕食は、コンビニの塩むすびに粗びきソーセージ。〆にインスタントラーメン。
私の山飯はこれだけあれば御馳走だ。

食事が終わるころには、雨も止んで空が明るくなってきた。

雲がみるみるうちにはれて、明るくなってくる。

ずっと雲に隠れていた三嶺も、やっと姿を見せてくれた。

この瞬間は、すごく幻想的で綺麗だった。
そして、しばらくすると西の空が焼けはじめる。

この間はただテントの外で景色を眺めているだけだった。
移り変わる空の色を眺めているだけで時間を忘れる、最高の贅沢。。。

【PM18:30】
そしてこの日、最高のゴールデンタイム。

他の登山者の方も、この夕暮れを楽しんでおられました。
ソロなので、写真の被写体はだいたい他の人の背中をお借りします。
(あとテントの写真が多いのは、元キャンパーのサガです・・・)
個人的には、この「白髪避難小屋・野営地」
めちゃくちゃ気にいりました!
ロケーションも最高で、ここから見る三嶺の姿はとても美しい。
登山口からわずか(?)6時間ほどで、まわり360度を大自然に囲まれた場所で過ごす時間は何事にも代え難い。
ホント、周囲に避難小屋以外に目に入る人工物が全く見当たらない。
しかも水場と避難小屋があるから、安心して野営することが出来ます。(トイレはありません)
便利なオートキャンプ場も良いですが、全く違った趣きの良さがありますね~
「いいトコ見つけたので、また来よっと」

【PM20:00 就寝】
このまま、夜は綺麗な星空を期待していましたが
残念ながら夜は霧に包まれてガスガス・・・
早めに就寝します。
「おやすみなさい」

Road to “JIROGYU”
【2日目 前半】

【AM5:00 起床】
テントから顔を出すと東の空が明るくなっていた。
昨晩は夜12時ごろ、辺りの足音に眠りを覚まされる。
気付いたらテントの周りを野生の鹿たちに囲まれていた。
テントの外に食料は出していないはずだが、どうやら近くで草を食べているようだ。
バリバリ、ムシャムシャ。眠気が吹っ飛ぶような凄い音がする。
(これが北アルプスで熊に囲まれていたら怖かっただろうな・・・)

昨晩のガスも明け方にははれて、綺麗な朝焼けが見える。
朝は少し冷える、と言ってもTシャツの上に薄いライトダウンを羽織る程度でちょうど良い気候。爽やかな朝。

【AM5:50】
野営場からの御来光。

ここからだと、雲海や山裾から上る御来光は拝めない。
が、木々の間から太陽が昇ってきた。

すぐに空が明るくなり、遥か彼方の雲海まで見える。


朝陽に照らされた三嶺が綺麗だ。
(改めて感じたが、三嶺って本当に綺麗な山ですね。)
三嶺を眺めながら朝食を頂き、10分ほどかけてテントを撤収する。
ここでの昨日からの利用者は私を含めてテント3張り。
避難小屋には5名ほど泊まっていたようだ。

【AM6:20 白髪避難小屋 出発】
十二分に景色を楽しませてくれた白髪避難小屋の野営地をあとにする。

【AM6:30 平和丸】
林を抜けて、見晴らしのいいところに出ると、そこが“平和丸”。

高知県側の山脈がはるか遠くまで見通せる。

そして正面には笹で覆われた、緑の優しくたおやかな稜線。
まさに「これが四国の山の縦走路」といった風情。
視界360度のパノラマロード。

縦走路の真っすぐ先には、次郎笈の山影が見えた。

道はその後、ゆったりとした上り下りを繰り返す。
斜面の巻道は道幅も狭く、笹の植生で足元がわかりづらい。
道を踏み外して谷側に滑り落ちないように、足の置場を確認しながら進む。
(念のため持ってきたトレッキングポールが足元の笹をかき分けるのに便利だった)

【AM8:00 高ノ瀬】
標高1740.8m
ここで少し休憩。

今回のトレッキング用に買った“シリオ”の靴「PF156-3」
昨日の雨と朝露に濡れた笹のせいで、ズボンから靴までびしょ濡れ・・・
防水は効いてないようなので、靴下が絞れるほど浸水していた(笑)

先は長いのでサクサクと進む。
遠くに見えていた次郎笈もだんだんと近づいてきた。

【AM9:00 奥祖谷二重かずら橋への分岐】
ここから2.4㎞ほどで、二重かずら橋に下りられる。
三嶺剣山縦走のエスケープルートとして使えそう。
(なんか、かずら橋観光の通行料は取られるみたい)

分岐のすぐ近くにある“丸石避難小屋”
造りは白髪避難小屋とほとんど一緒。
(ただ、ここには水場が無く、不人気小屋という話も聞きました)

【AM9:30 丸石】
標高1683.9m
出発の白髪避難小屋(標高1692m)からここまで約3時間。
大した標高差も無く、とてもなだらかな縦走路であることがよく分かる。

ところがこの縦走路、そんなに甘い訳では無い。

ここから次郎笈への最後の登りが待ち受ける。
いきなりの急登にかなり、へばる・・・

そして、ようやく次郎笈山頂直下。

【AM11:00 次郎笈山頂 到着】
標高1930m
次郎笈は、まだ小さかった子供たちを連れて登りに来て以来
11年ぶり2回目の登頂。
その時の過去記事がブログに残っていました。
「2009年6月 剣山に登りに行ってきました」
(もう、あれから11年も経つのか・・・)
次郎笈の頂上は小さな子供を連れた家族連れで賑わっていた。
これまでの縦走路とは全く違う雰囲気。
事実、剣山から次郎笈まではお子様の脚でも楽しめる人気のコース。

山頂でしばらく休憩していると、ガスがはれて最終目的地・剣山の姿が見えてきた。
いざ、今回の縦走、最後のピーク“剣山”に向かう。

剣山 標高1955m
剣山(つるぎさん)は標高1955mの山で、徳島県の最高峰。
同じく四国山地の石鎚山についで、近畿以西の西日本では2番目の高峰である。
日本百名山に選定され、徳島県では県のシンボルとされている。
修験道の山として古くから知られ、山岳信仰の対象として剣神社・大剣神社などがある。
別名を「太郎笈(たろうぎゅう)」と呼ばれ、南西側に対峙する「次郎笈(じろうぎゅう)」は兄弟峰。
リフトを使えば、起点の見ノ越駅から山頂近くの標高1750mまで上がることができるので、自分の体力やレベルに合わせて誰でも登山やハイキングに挑戦することが出来ます。
(引用文)
【2日目 後半】

次郎笈から剣山までは、片道1時間ほど。
見晴らしの良い尾根を歩いていくので家族連れやおしゃれな格好をした山ガールさん、年配のハイカーの方も多い。
しかし、2日間縦走してきて流石に最後の登りは堪える・・・

左手には、今日歩いてきた縦走路。

そして振り返ると次郎笈の姿。
次郎笈もなかなかドッシリとした堂々たる山容。
三嶺の縦走路からの眺めは、むしろ剣山より目立って見えた。

次郎笈の山頂からちょうど1時間。
最後の木道を登ると

【PM12:40 剣山山頂 到着】
三嶺の山頂から17km。
今日の白髪避難小屋から約6時間半。
ようやく、三嶺~次郎岌~剣山の三山登頂達成!

頂上は登山客。というか軽装の観光客で一杯。
剣山は見ノ越の登山口からリフトを使えば、わずか1時間ほどで登頂できるので
天気の良い週末のこの日は、ハイキングを楽しみに来ていた人が多かったです。

剣山の山頂付近は遊歩道や展望テラスが整備されていて、
山頂でのお弁当を楽しむには絶好の場所。
標高2000m近い山の上で、綺麗な空気を吸いながらのハイキングは
コロナ自粛で我慢していた人たちにとっては最高の休日ですね。

剣山頂上ヒュッテ。
ここは有人の山小屋に食堂や売店がある。
「ここまで来て、この登山初の売店!」
ここまでの道中は売店はおろか自然以外、何もありませんでしたから。
久しぶりに文明の香りを嗅いだ気がする(笑)

剣山ヒュッテではキンキンに冷えた三ツ矢サイダーを購入。
まずは今回の縦走達成に乾杯。

それと昼飯のラーメンに昨日の残りのソーセージぶっ込み。
ソーセージ入りチキンラーメン

山頂で食べるラーメン最高!

【PM13:50】
「さて、そろそろ下山しますか」
ヒュッテ横の剣山本宮宝蔵石神社をお参りして下山にとりかかる。

剣山にはいろいろな登山ルートがあるが、
下山は最短ルートの「尾根ルート」を選択。

最短ルートだと、わずか20分ほどでリフト乗り場の「西島駅」に到着。
“剣山観光登山リフト”は登山口からここまでわずか15分でたどり着ける、まさに文明の利器!
私も過去3回の剣山登山では毎回、利用させてもらっています(汗)

かなりリフトに乗りたい衝動に駆られましたが、
せっかくここまで自分の脚で歩いてきましたから大人しく下山道に向かいます。
登山口の見ノ越までは1350m。

途中の西島キャンプ場を視察。
眺め良し。けっこう広くて、プライベート感のあるいいサイト。
(近くに水場もトイレもあるそうですよ、しかも設営無料!)
見ノ越の駐車場からリフトでたった15分。
重い荷物背負ってこなくても気軽に山キャンプが出来る。
「白髪避難小屋といい、なんでこんな良い場所を今まで気づかなっかたのだろうか!?」

そんな事を考えているうちに、リフト乗り場が見えてくる。
ゴールはもうすぐそこ。

【PM15:00 見ノ越 到着】
ゴールの剣山登山口、見ノ越に到着。
登山口は剣神社の参道になっている。
「とりあえず」 2日間にわたる三嶺剣山縦走、無事完了。
そう、「とりあえず・・・」

ここ“見ノ越駐車場”から昨日出発した“名頃駐車場”までは自転車で戻る。
公共の交通機関はバスが走っているが、本数が少ないらしい。
ここから名頃駐車場までは約10キロの距離。
昨日の登山前にデポしておいた自転車を確保する。
「鍵は掛けていたが、盗まれていなくて良かった~」
(もう、ここから10キロ歩く気力は無い)
距離にして10キロと言うものの、名頃駐車場まではほぼ下りのダウンヒル。
ソロの縦走者は、皆さんこの方法を使う人が多いようです。
(間違っても逆のルートにしないようにね)

【PM15:30 名頃駐車場 到着】
無事、名頃駐車場に到着。
自転車での10キロのダウンヒルは30分もかからない。
風を切って下るのは最高に気持ちいい!
到着の証拠に車のガラスで自撮り・加工あり(笑)
これにて、今回の縦走登山は全て終了。
正直、北アルプスのトレーニング気分で計画した今回の山行だったが
四国の山の素晴らしさを認識させられた登山になった。
そして思いのほかキツかった・・・
「コロナ自粛で身体がナマッテルのかな~?」
【編集後記】
コロナ禍の影響で計画していた北アルプスに行けず、今年の初登山は四国の山になった。
四国での登山はハイキング程度でしか経験がなかったが、今回は初めての縦走登山。
三嶺から剣山の縦走路は以前から知ってはいたが、実際に歩いてみると想像よりもはるかに素晴らしく、いい意味で期待を裏切られた。
北アルプスとは違って森林限界点を超える山は無いので緑あふれる優しい雰囲気の景色が多く、笹に覆われた穏やかな登山道を歩くのは思いのほか楽しかった。
道は整備はされているが、登山客の多い有名な山にくらべてはるかに野趣に溢れ、笹やカヤをかき分けて進む場所も多かった。
三嶺と剣山は大きな標高差もなく基本的になだらかな縦走路が続く印象だが、小さなアップダウンの間に急登や鎖場も出てくるので登っていて飽きることはない。
ただ、道中に有人の山小屋や売店が無い為に水や食料の調達には気を使った。
それでも人工物の少ない野営場での一泊は景色も良く、最高だった。

今まで足の向くことの無かった四国の山だが、11月中旬から雪に閉ざされる北アルプスと違い、これから秋に向けて登山シーズンも真っ盛り。
また四国の他の山にも登ってみたいと思える今回の山行だった。