2020年11月 石鎚山登山

晩秋の石鎚山に登ってきました。
11月の三連休、秋も深まり登る山も限られてくる。
雪山の装備は持っていないし、寒いのも苦手。
当然2000~3000m級のお山は無理なので、石鎚山に登りに行く事にしました。
四国に移り住んで20数年で初めての愛媛県の山。
四国に2つある百名山のうちの一つ、しかも西日本最高峰とあらば
登らないわけには行かないでしょう。
【1日目 前半】

石鎚山登山のメインルートといえば、石鎚登山ロープウェイを使う成就社コースと思っていたが町道・瓶ヶ森線を通る、土小屋コースというルートがあるらしい。
瓶ヶ森林道、通称「UFOライン」
車のCMの影響か知らないが、最近よく耳にする観光スポット。
早朝4時に徳島の自宅を出発。
愛媛県に到着し、長いトンネルを抜けた後、車で細い山道をどんどん上がっていくと。

朝8時にお目当てのUFOラインに到着。
ついさっきまで晴れていたのに、上空真っ白。風も強く、とにかく寒い・・・
なんでもUFOラインの最高地点は標高1690m、ちょっとした山の山頂なみの高さ。

【AM8:30 土小屋駐車場 到着】
登山口のある土小屋駐車場には、すでに多くの車が停まっていた。さすが3連休。
本日の天気予報は晴予報だが、周囲はガスで真っ白。
風が強く、車の外気温計は2℃を示していた。
あたたかい車の中で朝飯を頬張り、ゆっくりと支度。
山頂までのコースタイムは2時間半。そう焦ることもないだろう。

【AM9:30 土小屋登山口 出発】
準備している間に、空も明るくなってきた。
山頂までの距離表示は4.6km。
土小屋コースは、ロープウェイを使う成就社コースよりも標高差も小さく、歩行距離も少ない。
今回も省力登山(笑)

30分も登らないうちに天気、快晴!
登山道は緩やかで、とてもよく整備されている。

登山道からは石鎚山の姿が良く見える。
なんか堂々とした威厳のある山ですね。さすが修験道信仰の中心となる霊峰・石鎚山。

【AM10:30 ベンチ3 到着】
途中に休憩ベンチが2つあったが、特に休憩の必要も無いぐらい。
道はなだらかで、ここまではほとんどハイキングコース。
ここから先は徐々に、石鎚山の真下を通過していく。
落石注意区間と看板に表示があるが
「ま~大丈夫だろう」 と歩いていると。

けっこう大きな岩、落ちてきてるんだね・・・

【AM11:00 成就社コースとの合流点】
この鳥居の前で、成就社コースと合流する。
ここには立派な休憩所とトイレが建っていたが、流石に両コースの合流点だけあって多くの登山者が休憩していた。
私もここでトイレだけお借りする。
なんせ、ここからは今回の登山のメインイベントがありますからね。

【二の鎖】
石鎚山と言えば、この鎖場。
石鎚山には全部で4カ所の鎖場があるようだが、土小屋コースからだと、この「二の鎖」が最初の鎖場になる。

最初、来る前は
「多くの観光客が登りに来るぐらいだから、精々アスレチック施設のアトラクション程度だろう」と高を括っていたが、中々どうしてこれは凄い鎖場だった。。。

鎖は太くしっかりしていて安心感はあるが、斜度が半端なく急い。
「間違い無く鎖なかったら、登れないね」
しかしその分、標高を一気に稼ぐので景色は素晴らしい。
見下ろすと遠くの景色や雲海が見渡せる。

【三の鎖】
二の鎖のあとは、間髪いれずに三の鎖に取りつく。
「こっちも急で距離長いね。。。」
次第に体重を支える脚がプルプル・・・、鎖を掴む腕がプルプル・・・。
自分の身体を引き上げるのに、けっこうな体力を使う。

三点支持の基本を忠実に守り、慎重にここまで登ってきた。
「来年は剱岳登ろうと思っていたんで、これはいい練習だな~」
今回の鎖場ではっきり分かったこと
・体重を落とそう(今回は軽いザックだけど、それ以上に体重が重い)
・筋肉とスタミナをつけよう(コロナ自粛で過去最悪の体脂肪率、筋力足りてない)
・身体を柔らかくしよう(身体が硬くて脚が上がらない。良い足場まで全然足が届かない)
どれも努力が必要ですね。。。

【AM:11:30 石鎚山 山頂到着】
ようやく三の鎖を登りきると、そこが山頂だった。
登山口からちょうど2時間。
鎖場に必死で、なんだかあっという間の到着だった。

【石鎚山(弥山)山頂 標高1974m】
石鎚山は日本百名山、日本百景の一つ。古くから山岳信仰の修行の場として修験道が発達し、日本七霊山の一つとして霊峰石鎚山とも呼ばれる。
石鎚山は、石鎚神社山頂社のある弥山(標高1974m)・最高峰に位置する天狗岳(標高1982m)・南尖峰(標高1982m)の一連の総体山を総称して石鎚山と呼ぶ。
(引用文)
そう、この「弥山」の山頂は、最高点にあらず。
目指す、西日本最高峰は目の前に見える「天狗岳」だった。
(私もこの度、はじめて知りました・・・汗)

西日本最高峰・天狗岳
西日本最高峰の名に違わず、見た目もかっこいい。。。
何はともあれ、天狗岳に向かう。

弥山山頂から天狗岳山頂までは、すぐ目の前だけど登山道は岩場で狭い。

しかも、見た目の迫力が半端無い。
「左の切れ落ち具合、ヤバいね・・・」
ここからは写真少な目で。。。

【PM12:00 天狗岳山頂 到着】

天狗岳山頂 標高1982m
山頂は狭いので、記念写真の順番待ち。
自撮りの他に、かわりばんこで写真を撮ってもらいました。

山頂付近で景色を堪能したあと、元来た道を戻る。
やはり右側は切れ落ちていて怖く感じるが、実際は左側は広く安全で
思ったよりは普通に歩いて行ける。
あまり右側には寄りたくないが、どうしても好奇心で覗き込みたくなりますね(笑)

弥山の山頂まで戻ってくると、たくさん人が昼ご飯を食べながら休憩していた。
この日は天気も良く、最高の登山日和。
朝の寒さとは打って変わって、11月末とは思えない陽気となった。

山頂からは、他の山へと続く縦走路も見える。
あとで調べたら、二ノ森から堂ヶ森へと続く縦走路。
(堂ヶ森もよく聞く名前ですね、今度、行ってみようかな?)

そして東側に見えるのは「瓶ヶ森」

山頂付近が草原の丘のように見える山が「瓶ヶ森」というお山。
本日のキャンプ地です。
【1日目 後半】

瓶ヶ森キャンプ場

【PM13:00 下山開始】
弥山山頂では握り飯だけ食べてから、下山を開始する。
下りは鎖場を降りずに、迂回路の登山道をくだる。
谷側に手摺がついて無いので解放感抜群。景色最高の空中回廊といった感じ。

【PM14:15 土小屋登山口 到着】
下山の所要時間はわずか1時間ちょっと。
朝の出発から約5時間。土小屋コースはちょうどよい日帰り登山コース。
出発の時には気付かなかったが、この看板の左下に登山届用のポストが付いていた。

駐車場まで戻ってくると、さらに車と人の数が増えていた。
観光客の人の中にはツーリング中のバイカーの姿も目立った。

駐車場前には綺麗な建物。
モンベルショップ、屋外テラスのある喫茶店、2階はレストランになっている。

ここでは1階の喫茶室でおにぎりとお茶だけ頂き、お土産を買った。
店内には登山用品もそろっているので、登山用具の忘れ物しても安心。

【PM15:30 瓶ヶ森駐車場 到着】
ここまでは車で移動。
石鎚山から瓶ヶ森までの縦走登山道もない訳では無いが、車移動が楽ちん。
駐車場はかなり広いので、いつ来ても満車の心配はなさそう。

ここで、今日背負っていた登山用の40Lザック(Z40)とテント泊装備用の75Lザック(バルトロ75)とスイッチ。
(どちらも“グレゴリー”のザックだけどロゴが少し変わってますね)

【PM16:00 瓶ヶ森登山口 出発】
今日は瓶ヶ森の山頂へは向かわずに、本日の幕営地のキャンプ場に行く予定。

キャンプ場は2カ所あるみたい。
暗くなる前に設営して晩御飯までは食べたいので、近い方の第2キャンプ場にしようかな。

キャンプ場までの道はほぼ平坦。
75Lのザックは荷物満載で重いけど、キャンプ場までは近いので全然余裕。

受付の白石小屋に到着したが、すでに閉鎖されて営業していない様子。
「勝手に泊まっていいのかな?」

【PM16:30】
本日の我が家の設営完了。
(絵ずらがいつもと一緒ですね・・・、そろそろ新しいテント欲しいな。。。)

この日の第2キャンプ場には私一人、まさに貸し切り状態。
(駐車場には30台ほどは車停まってたけど、みんな日帰りか第1キャンプ場のほうかな?)
行楽シーズンの3連休にキャンプ場貸し切りのこの贅沢!
(実は少し寂しくて、心細いかも・・・)

一人晩飯を食べながら、沈みゆく夕日を眺める。
今日登ってきた石鎚山に日が落ちていく。

食後のコーヒーを飲みながら、非常に静かでゆっくりとした時間が流れていた。。。
もう、することは何も無いのでスマホでお気に入りの音楽を流しながら
寝袋に包まる、夜8時には就寝。
【2日目】
【翌朝 AM4:00】
夜中、風の音で目を覚ます。
少し風のおさまったのを見計らってテントから顔を出すと、
綺麗な星空が広がっていた。

外はかなり寒かったが、綺麗な星空にテントの外に出てみた。

天の川を探してみたが、どうやらこの時間には既に地平線に沈んで見えないらしい。
天の川の尻尾の部分だけがぼんやりと確認できた。

【AM7:00 御来光】
本当は暗いうちからテント場を出発して、山頂での御来光を拝みたかったのだが
知らない道を暗い中ひとりで歩くのが嫌だったので結局、明るくなってからの出発。
山頂に向かう途中で、中途半端な御来光になってしまった・・・

テント場から瓶ヶ森山頂(女山)までは、わずか1時間の距離。
途中、山頂で御来光を拝んでこられた登山者数名とすれ違った。

【AM7:20 瓶ヶ森山頂 到着】
昨日の石鎚山に続き、この登山2つ目のピーク。

瓶ヶ森山頂 標高1897m
(看板の作者、石鎚山と一緒?)

山頂からの景色は、すごい雲海が広がっていた。

カメラを構えている登山者が、雲海の波に巻き込まれそうな勢い!

「山頂は寒いけど、この景色のために登ってくる価値はあるよね」
昇ってくる太陽がすごく温かく感じる。。。

山頂で写真を撮って頂いたカメラマンさん。
昨日の夜10時から山頂に上がり、寒い中で朝までカメラを構えていたそうです。
きっと素晴らしい星空と御来光が撮れたことでしょう。
(本当に綺麗な写真を撮ろうと思ったら、それぐらいの気合が必要なんですね)

【AM7:50 男山山頂 到着】
瓶ヶ森には女山と男山の山頂がある。標高は女山のほうが高い。

【AM8:10 登山口 到着】
下山もあっという間に登山口まで戻ってきた。
ここでトイレを借りる。第2キャンプ場にはトイレは見当たらなかった。
私は右回りで女山から登ったが、普通に登山するなら左回りで男山を登ってから
女山の山頂を踏み、石鎚山と瀬戸内海の景色を見ながらゆっくりと下山するのが良いかな(個人的には)
どちらにしても、非常に登りやすい山です。

キャンプ場に戻る途中で「瓶つぼ」に立ち寄る。

分岐からは数分で到着。
瓶ヶ森の名前の由来ともなっている「瓶つぼ」

どこかパワースポット的な雰囲気を感じる。
湧き水が溜まったものだが、どうやってこんな形状になったか不思議だ。
「これが温泉だったら一人で入るのにはちょうど良いな。昨日は風呂入ってないし」(不謹慎)
もちろん、そんな事しませんけどね(笑)

【AM10:30 テント撤収完了】
テントに戻り、朝飯のラーメンを食べてからは暫くのんびりとする。
この日も天気が良く、暫くテントを乾燥させてから、ゆっくりと撤収。

今回のテント泊で新たに導入した寝袋。
“mont-bell アルパインダウンハガー800 ♯1”
昨晩は氷点下近くまで気温が下がっていたと思うが、快適に寝ることが出来た。
やっぱり今まで使っていた♯3とは断熱性能が格段に違っていて感動した。
これでテント泊の使用範囲も広がりそうだ。(荷物はすごい嵩張るけどね)

【AM11:00】
瓶ヶ森を後にする。
右側のピークは男山。左側のピークが最高峰の女山。
見るからになだらかで穏やかな山だと分かる。
瓶ヶ森は、日本三百名山および四国百名山。
愛媛県第3位、四国で5位、西日本でも第7位の高峰ということだが、
登山口からの標高差が無いため、誰でも気軽に登れる良い山だと思った。
おまけ
帰る途中に、行きも通過した「UFOライン」を見学。
(リンク先の、いの町の動画に映っているのが瓶ヶ森ですね)
今度は快晴に恵まれて、景色も綺麗に見えた。


ドライブもいいけど、自転車で走っても気持ちがよさそう。

UFOラインに沿って、登山道が繋がっている。
今度はここを歩くのもいいかな。
この日は瓶ヶ森登山だけなので、夕方には徳島の自宅に帰着できた。
【編集後記】
前々から登りに来ようと思っていた石鎚山。紅葉の時期は過ぎていたけど、12月で登山口への道路が閉鎖される直前にタイミング良く登りに行くことが出来た。
しかも11月末とは思えない陽気に恵まれ、快適な登山とキャンプ場でのテント泊が満喫できた山行だった。
石鎚山は鎖場と天狗岳への一部の登山道を除けば、とても登りやすい山で、登山者も多く山頂も賑やかだった。今度はロープウェイを使って成就社コースから残り2つの鎖場も登ってみたい。
2日目の瓶ヶ森は標高のわりに駐車場からテント場が近く、山でキャンプしたい人にはもってこいの場所。私は今回第2キャンプ場を使ったが、第1キャンプ場のほうが景色も良く、トイレや避難所などの設備が整っていたようだ。
瓶ヶ森は山頂までも近いので、誰でも気軽に御来光や雲海などの山の景色が楽しめる良い山だった。

【天狗岳山頂にて】
私は冬山は登らないので、これが今年最後の登山かな?
来年の状況は未だに分かりませんが、来シーズンに向けてトレーニングだけはしておこうと思う。
雪山の装備は持っていないし、寒いのも苦手。
当然2000~3000m級のお山は無理なので、石鎚山に登りに行く事にしました。
四国に移り住んで20数年で初めての愛媛県の山。
四国に2つある百名山のうちの一つ、しかも西日本最高峰とあらば
登らないわけには行かないでしょう。
【1日目 前半】

石鎚山登山のメインルートといえば、石鎚登山ロープウェイを使う成就社コースと思っていたが町道・瓶ヶ森線を通る、土小屋コースというルートがあるらしい。
瓶ヶ森林道、通称「UFOライン」
車のCMの影響か知らないが、最近よく耳にする観光スポット。
早朝4時に徳島の自宅を出発。
愛媛県に到着し、長いトンネルを抜けた後、車で細い山道をどんどん上がっていくと。

朝8時にお目当てのUFOラインに到着。
ついさっきまで晴れていたのに、上空真っ白。風も強く、とにかく寒い・・・
なんでもUFOラインの最高地点は標高1690m、ちょっとした山の山頂なみの高さ。

【AM8:30 土小屋駐車場 到着】
登山口のある土小屋駐車場には、すでに多くの車が停まっていた。さすが3連休。
本日の天気予報は晴予報だが、周囲はガスで真っ白。
風が強く、車の外気温計は2℃を示していた。
あたたかい車の中で朝飯を頬張り、ゆっくりと支度。
山頂までのコースタイムは2時間半。そう焦ることもないだろう。

【AM9:30 土小屋登山口 出発】
準備している間に、空も明るくなってきた。
山頂までの距離表示は4.6km。
土小屋コースは、ロープウェイを使う成就社コースよりも標高差も小さく、歩行距離も少ない。
今回も省力登山(笑)

30分も登らないうちに天気、快晴!
登山道は緩やかで、とてもよく整備されている。

登山道からは石鎚山の姿が良く見える。
なんか堂々とした威厳のある山ですね。さすが修験道信仰の中心となる霊峰・石鎚山。

【AM10:30 ベンチ3 到着】
途中に休憩ベンチが2つあったが、特に休憩の必要も無いぐらい。
道はなだらかで、ここまではほとんどハイキングコース。
ここから先は徐々に、石鎚山の真下を通過していく。
落石注意区間と看板に表示があるが
「ま~大丈夫だろう」 と歩いていると。

けっこう大きな岩、落ちてきてるんだね・・・

【AM11:00 成就社コースとの合流点】
この鳥居の前で、成就社コースと合流する。
ここには立派な休憩所とトイレが建っていたが、流石に両コースの合流点だけあって多くの登山者が休憩していた。
私もここでトイレだけお借りする。
なんせ、ここからは今回の登山のメインイベントがありますからね。

【二の鎖】
石鎚山と言えば、この鎖場。
石鎚山には全部で4カ所の鎖場があるようだが、土小屋コースからだと、この「二の鎖」が最初の鎖場になる。

最初、来る前は
「多くの観光客が登りに来るぐらいだから、精々アスレチック施設のアトラクション程度だろう」と高を括っていたが、中々どうしてこれは凄い鎖場だった。。。

鎖は太くしっかりしていて安心感はあるが、斜度が半端なく急い。
「間違い無く鎖なかったら、登れないね」
しかしその分、標高を一気に稼ぐので景色は素晴らしい。
見下ろすと遠くの景色や雲海が見渡せる。

【三の鎖】
二の鎖のあとは、間髪いれずに三の鎖に取りつく。
「こっちも急で距離長いね。。。」
次第に体重を支える脚がプルプル・・・、鎖を掴む腕がプルプル・・・。
自分の身体を引き上げるのに、けっこうな体力を使う。

三点支持の基本を忠実に守り、慎重にここまで登ってきた。
「来年は剱岳登ろうと思っていたんで、これはいい練習だな~」
今回の鎖場ではっきり分かったこと
・体重を落とそう(今回は軽いザックだけど、それ以上に体重が重い)
・筋肉とスタミナをつけよう(コロナ自粛で過去最悪の体脂肪率、筋力足りてない)
・身体を柔らかくしよう(身体が硬くて脚が上がらない。良い足場まで全然足が届かない)
どれも努力が必要ですね。。。

【AM:11:30 石鎚山 山頂到着】
ようやく三の鎖を登りきると、そこが山頂だった。
登山口からちょうど2時間。
鎖場に必死で、なんだかあっという間の到着だった。

【石鎚山(弥山)山頂 標高1974m】
石鎚山は日本百名山、日本百景の一つ。古くから山岳信仰の修行の場として修験道が発達し、日本七霊山の一つとして霊峰石鎚山とも呼ばれる。
石鎚山は、石鎚神社山頂社のある弥山(標高1974m)・最高峰に位置する天狗岳(標高1982m)・南尖峰(標高1982m)の一連の総体山を総称して石鎚山と呼ぶ。
(引用文)
そう、この「弥山」の山頂は、最高点にあらず。
目指す、西日本最高峰は目の前に見える「天狗岳」だった。
(私もこの度、はじめて知りました・・・汗)

西日本最高峰・天狗岳
西日本最高峰の名に違わず、見た目もかっこいい。。。
何はともあれ、天狗岳に向かう。

弥山山頂から天狗岳山頂までは、すぐ目の前だけど登山道は岩場で狭い。

しかも、見た目の迫力が半端無い。
「左の切れ落ち具合、ヤバいね・・・」
ここからは写真少な目で。。。

【PM12:00 天狗岳山頂 到着】

天狗岳山頂 標高1982m
山頂は狭いので、記念写真の順番待ち。
自撮りの他に、かわりばんこで写真を撮ってもらいました。

山頂付近で景色を堪能したあと、元来た道を戻る。
やはり右側は切れ落ちていて怖く感じるが、実際は左側は広く安全で
思ったよりは普通に歩いて行ける。
あまり右側には寄りたくないが、どうしても好奇心で覗き込みたくなりますね(笑)

弥山の山頂まで戻ってくると、たくさん人が昼ご飯を食べながら休憩していた。
この日は天気も良く、最高の登山日和。
朝の寒さとは打って変わって、11月末とは思えない陽気となった。

山頂からは、他の山へと続く縦走路も見える。
あとで調べたら、二ノ森から堂ヶ森へと続く縦走路。
(堂ヶ森もよく聞く名前ですね、今度、行ってみようかな?)

そして東側に見えるのは「瓶ヶ森」

山頂付近が草原の丘のように見える山が「瓶ヶ森」というお山。
本日のキャンプ地です。
【1日目 後半】

瓶ヶ森キャンプ場

【PM13:00 下山開始】
弥山山頂では握り飯だけ食べてから、下山を開始する。
下りは鎖場を降りずに、迂回路の登山道をくだる。
谷側に手摺がついて無いので解放感抜群。景色最高の空中回廊といった感じ。

【PM14:15 土小屋登山口 到着】
下山の所要時間はわずか1時間ちょっと。
朝の出発から約5時間。土小屋コースはちょうどよい日帰り登山コース。
出発の時には気付かなかったが、この看板の左下に登山届用のポストが付いていた。

駐車場まで戻ってくると、さらに車と人の数が増えていた。
観光客の人の中にはツーリング中のバイカーの姿も目立った。

駐車場前には綺麗な建物。
モンベルショップ、屋外テラスのある喫茶店、2階はレストランになっている。

ここでは1階の喫茶室でおにぎりとお茶だけ頂き、お土産を買った。
店内には登山用品もそろっているので、登山用具の忘れ物しても安心。

【PM15:30 瓶ヶ森駐車場 到着】
ここまでは車で移動。
石鎚山から瓶ヶ森までの縦走登山道もない訳では無いが、車移動が楽ちん。
駐車場はかなり広いので、いつ来ても満車の心配はなさそう。

ここで、今日背負っていた登山用の40Lザック(Z40)とテント泊装備用の75Lザック(バルトロ75)とスイッチ。
(どちらも“グレゴリー”のザックだけどロゴが少し変わってますね)

【PM16:00 瓶ヶ森登山口 出発】
今日は瓶ヶ森の山頂へは向かわずに、本日の幕営地のキャンプ場に行く予定。

キャンプ場は2カ所あるみたい。
暗くなる前に設営して晩御飯までは食べたいので、近い方の第2キャンプ場にしようかな。

キャンプ場までの道はほぼ平坦。
75Lのザックは荷物満載で重いけど、キャンプ場までは近いので全然余裕。

受付の白石小屋に到着したが、すでに閉鎖されて営業していない様子。
「勝手に泊まっていいのかな?」

【PM16:30】
本日の我が家の設営完了。
(絵ずらがいつもと一緒ですね・・・、そろそろ新しいテント欲しいな。。。)

この日の第2キャンプ場には私一人、まさに貸し切り状態。
(駐車場には30台ほどは車停まってたけど、みんな日帰りか第1キャンプ場のほうかな?)
行楽シーズンの3連休にキャンプ場貸し切りのこの贅沢!
(実は少し寂しくて、心細いかも・・・)

一人晩飯を食べながら、沈みゆく夕日を眺める。
今日登ってきた石鎚山に日が落ちていく。

食後のコーヒーを飲みながら、非常に静かでゆっくりとした時間が流れていた。。。
もう、することは何も無いのでスマホでお気に入りの音楽を流しながら
寝袋に包まる、夜8時には就寝。
【2日目】
【翌朝 AM4:00】
夜中、風の音で目を覚ます。
少し風のおさまったのを見計らってテントから顔を出すと、
綺麗な星空が広がっていた。

外はかなり寒かったが、綺麗な星空にテントの外に出てみた。

天の川を探してみたが、どうやらこの時間には既に地平線に沈んで見えないらしい。
天の川の尻尾の部分だけがぼんやりと確認できた。

【AM7:00 御来光】
本当は暗いうちからテント場を出発して、山頂での御来光を拝みたかったのだが
知らない道を暗い中ひとりで歩くのが嫌だったので結局、明るくなってからの出発。
山頂に向かう途中で、中途半端な御来光になってしまった・・・

テント場から瓶ヶ森山頂(女山)までは、わずか1時間の距離。
途中、山頂で御来光を拝んでこられた登山者数名とすれ違った。

【AM7:20 瓶ヶ森山頂 到着】
昨日の石鎚山に続き、この登山2つ目のピーク。

瓶ヶ森山頂 標高1897m
(看板の作者、石鎚山と一緒?)

山頂からの景色は、すごい雲海が広がっていた。

カメラを構えている登山者が、雲海の波に巻き込まれそうな勢い!

「山頂は寒いけど、この景色のために登ってくる価値はあるよね」
昇ってくる太陽がすごく温かく感じる。。。

山頂で写真を撮って頂いたカメラマンさん。
昨日の夜10時から山頂に上がり、寒い中で朝までカメラを構えていたそうです。
きっと素晴らしい星空と御来光が撮れたことでしょう。
(本当に綺麗な写真を撮ろうと思ったら、それぐらいの気合が必要なんですね)

【AM7:50 男山山頂 到着】
瓶ヶ森には女山と男山の山頂がある。標高は女山のほうが高い。

【AM8:10 登山口 到着】
下山もあっという間に登山口まで戻ってきた。
ここでトイレを借りる。第2キャンプ場にはトイレは見当たらなかった。
私は右回りで女山から登ったが、普通に登山するなら左回りで男山を登ってから
女山の山頂を踏み、石鎚山と瀬戸内海の景色を見ながらゆっくりと下山するのが良いかな(個人的には)
どちらにしても、非常に登りやすい山です。

キャンプ場に戻る途中で「瓶つぼ」に立ち寄る。

分岐からは数分で到着。
瓶ヶ森の名前の由来ともなっている「瓶つぼ」

どこかパワースポット的な雰囲気を感じる。
湧き水が溜まったものだが、どうやってこんな形状になったか不思議だ。
「これが温泉だったら一人で入るのにはちょうど良いな。昨日は風呂入ってないし」(不謹慎)
もちろん、そんな事しませんけどね(笑)

【AM10:30 テント撤収完了】
テントに戻り、朝飯のラーメンを食べてからは暫くのんびりとする。
この日も天気が良く、暫くテントを乾燥させてから、ゆっくりと撤収。

今回のテント泊で新たに導入した寝袋。
“mont-bell アルパインダウンハガー800 ♯1”
昨晩は氷点下近くまで気温が下がっていたと思うが、快適に寝ることが出来た。
やっぱり今まで使っていた♯3とは断熱性能が格段に違っていて感動した。
これでテント泊の使用範囲も広がりそうだ。(荷物はすごい嵩張るけどね)

【AM11:00】
瓶ヶ森を後にする。
右側のピークは男山。左側のピークが最高峰の女山。
見るからになだらかで穏やかな山だと分かる。
瓶ヶ森は、日本三百名山および四国百名山。
愛媛県第3位、四国で5位、西日本でも第7位の高峰ということだが、
登山口からの標高差が無いため、誰でも気軽に登れる良い山だと思った。
おまけ
帰る途中に、行きも通過した「UFOライン」を見学。
(リンク先の、いの町の動画に映っているのが瓶ヶ森ですね)
今度は快晴に恵まれて、景色も綺麗に見えた。


ドライブもいいけど、自転車で走っても気持ちがよさそう。

UFOラインに沿って、登山道が繋がっている。
今度はここを歩くのもいいかな。
この日は瓶ヶ森登山だけなので、夕方には徳島の自宅に帰着できた。
【編集後記】
前々から登りに来ようと思っていた石鎚山。紅葉の時期は過ぎていたけど、12月で登山口への道路が閉鎖される直前にタイミング良く登りに行くことが出来た。
しかも11月末とは思えない陽気に恵まれ、快適な登山とキャンプ場でのテント泊が満喫できた山行だった。
石鎚山は鎖場と天狗岳への一部の登山道を除けば、とても登りやすい山で、登山者も多く山頂も賑やかだった。今度はロープウェイを使って成就社コースから残り2つの鎖場も登ってみたい。
2日目の瓶ヶ森は標高のわりに駐車場からテント場が近く、山でキャンプしたい人にはもってこいの場所。私は今回第2キャンプ場を使ったが、第1キャンプ場のほうが景色も良く、トイレや避難所などの設備が整っていたようだ。
瓶ヶ森は山頂までも近いので、誰でも気軽に御来光や雲海などの山の景色が楽しめる良い山だった。

【天狗岳山頂にて】
私は冬山は登らないので、これが今年最後の登山かな?
来年の状況は未だに分かりませんが、来シーズンに向けてトレーニングだけはしておこうと思う。