2022年9月 白馬岳登山
白馬岳に登ってきました。
新型コロナウイルスによる行動制限も無くなり、割と自由に登山にも行けるようになりましたね。
今年は7月に登山仲間3人で槍ヶ岳に登頂。天気にも恵まれ山頂からは綺麗な御来光を拝むことが出来ました。
(2022年7月 槍ヶ岳山頂)
その後。
昨年から2022年の目標は白馬岳に登ろうと決めていましたが、仕事のスケジュールや天候を見つつ時期を伺っていたら9月中旬になってしまいました。
当初は猿倉登山口から白馬大雪渓を登り、頂上宿舎でテン泊して下りて来ようと思っていましたが、時期は9月になり雪渓の状態は不安定に。。。
やむなく計画を変更して白馬にむかう事にしました。
【1日目】
【AM8:00 栂池高原駐車場】
登山のスタートは栂池から。ここからゴンドラとロープウェイを乗り継いで登山口を目指す。
栂池高原のゴンドラリフト。眼下には栂池高原スキー場が見える。
学生の頃にスキーをしに何度か来た事があるが、登山で訪れるのは今回が初めて。
【AM9:00 栂池自然園登山口】
麓の駐車場から約1時間、登山口に到着。
栂池自然園ビジターセンターに登山届を提出して登山開始。
この日の天気は快晴!9月中旬だというのに思ったより暑い・・・
半袖短パンで歩き出す。
今回の山行の計画。
栂池から白馬大池、白馬岳、白馬鑓温泉を経由して猿倉へ下りる2泊3日のコース。
特に2日目は白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳の白馬三山を一気に縦走する。
「歩行距離、長いけど大丈夫かなぁ。。。」
【AM10:10 天狗原 到着】
登山開始から1時間。
登山道に木道が現れると、すぐに天狗原に到着。
天狗原は池塘が点在する湿原になっている。ここまでの登山道は概ね緩やか。
湿原の先には、ちょっとした急登が見える。
「ここからが本格的な登山かな?」
天狗原から先は少し景観が変わり、大きな岩が点在する登山道になる。
登りも急だが、登山開始から2時間弱でまだまだ余裕。
テント泊のザックの重さもそれほど気にならない。
この時期でも雪渓は少し残っているが、雪の上を歩いたのはこの箇所だけ。
さすがに、このルートにもうアイゼンは必要ないだろう。
程よい登りもすぐに終わり、一面ハイマツの景色が広がる。
【AM11:30 白馬乗鞍岳山頂 到着】
「これが山頂?」と思わず言いたくなるほど、なだらかな山頂部。
北アルプス南部の「乗鞍岳」と区別するため一般的に「白馬乗鞍岳」と呼ばれている、れっきとしたお山。標高は2469m。
立派なケルンが無ければ、ただの丘にしか見えないけどね(笑)
とりあえず今回の一座目ゲット。
7月の槍ヶ岳登山では一応、年長者の為にリーダーを務めたが
実際の登山では体力的に他の2人に後れを取り、脚を引っ張る始末・・・
運動不足を反省し、この2カ月間はジョギングをして身体を準備してきた。
「今回はイケるかも!」
(と、この時点では、浅はかにもそう思っている)
乗鞍岳を通過すると、眼前に湖が見えてくる。
今回の登山の目的のひとつ「白馬大池」
火山の噴火により堰き止められてできた火山性の湖である。
「白馬大池、来たー!」
この瞬間からテンションが上り、写真を撮る回数が増えて、なかなか先に進めない。
実際に見る白馬大池は、想像していたよりも大きくて綺麗な湖だった。
湖畔の登山道を進むと、「白馬大池山荘」も見えてきた。
【AM12:05 白馬大池山荘 到着】
登山口から、ちょうど3時間で本日の宿泊地・白馬大池山荘に到着。
今日はここでテント泊の予定。
で、さっそく本日の「我が家」完成!
まだお昼で、テント場もそれほど混雑していない。
運良く、大池に近い端っこを一区画ゲット。
テントの中でコーヒーを淹れて寛ぐ。。。
テントからは目の前に白馬大池が広がっている。
これは「我が家」というより、もはやリゾートだね。
「白馬大池レイクサイドホテル」といった趣き(笑)
(いや、あくまでテントだけどね・・・)
簡単に昼食を済ませて、あとは湖畔でまったりと。。。
穏やかな湖面を見つめながら、のんびりと過ごす。
この頃には続々と登山者も到着し、テント場も少し賑やかになってきた。
【PM15:00】
何もしないのも勿体ないので、アタックザックを持って白馬岳方面に登ってみる。
明日は長丁場の行程上、暗いうちから出発する予定。
初めて歩く道なので、明るいうちに危険個所が無いかチェックしておく。
幸い、登山道は極めて明瞭で、危ない箇所や道迷いする恐れは無い様子。
「こちらから眺める白馬大池も綺麗だなぁ」
「これはチングルマかな?」
花も終って、綿毛になっている。白馬も、もう秋の装い。
【PM18:00】
テントに戻ってきて、夕飯の支度。
「いつもは飲まないビールも、今日は飲んでしまおう」
白馬大池での、のんびりとした時間は最高の贅沢だった。
明日は、日の出前の朝4時に出発の予定。
「ビール飲んで、早く寝よっと ♪」
【PM18:20】
夕暮れ間近、ビール片手に付近を散策。
日焼けとビールで火照った身体に、初秋の爽やかな風がとても心地よい。
「明日も晴れると、いいな~」
白馬山荘と白馬岳(標高2932m)
白馬岳は北アルプス北部の後立山連峰にある標高2932mの山。
白馬岳は杓子岳、白馬鑓ヶ岳とともに白馬三山と呼ばれている。
その山容は南北に伸びる稜線の傾斜が著しく異なる非対称稜線が発達している。
山頂直下に位置する白馬山荘は日本最大の収容人員を誇る山小屋であり、
宗教登山に由来しない山小屋としては日本最古の山小屋である。(引用文)
【2日目 前半】
昨晩はビールを飲んで日没とともに就寝。
夜中にトイレに起きると、お月様が綺麗だった。
この日は「中秋の名月」の翌日。
起きたついでで勿体ないので、しばらくお月見。
スマホなので上手く撮れないけど、白馬大池に映る満月が綺麗だった。
静かな湖畔で中秋の名月を独り占め♪
【AM3:50 白馬大池 出発】
翌朝は午前2時半には起床。テントを撤収して4時前にテン場を出発する。
この日の行程は10時間以上かかる予定。多少、余裕を見てもこの時間には出ないといけない。
「頑張れば、小蓮華山あたりで御来光が見れるかな?」
ヘッドランプを点けて歩き出す。
月明かりが照らしてくれるので、それほど不安無く歩ける。
逆に月に見惚れて、躓かないようにしないとね。
先行者が3名ほどいるのか、ヘッデンの灯りが見えた。
【AM4:50】
出発から1時間ほど登山道を歩くと、空が焼けてきた。
「船越の頭」で御来光を待つ登山者の姿も見える。
この日の御来光は5時半頃。小蓮華山山頂までに間に合うかな?
【AM5:20 小蓮華山 山頂到着】
丁度、御来光が始まる時間に無事、小蓮華山に到着。
小蓮華山、標高2766m。
(この場所が新潟県で、この山が新潟県最高峰だというのは、後日知ったこと)
肝心の御来光は。。。
「う~ん、イマイチ・・・」
上空の雲が少し厚いかな。
白馬岳も半分モルゲンロート(笑)
それでも十分綺麗だけどね。
薄い陽光に照らされる白馬大池も幻想的で綺麗でした。
【AM6:20】
小蓮華山から先は気持ちの良い稜線歩き。
相変わらず雲のカーテンが半分だけ白馬岳を覆い隠している。
私の想像だと、白馬岳山頂はクッキリ。その下に雲海が広がっている画を予想してたんだけど・・・
この日は全くの上下反対ですね(笑)
それでも、この日は決して天気が悪い訳では無く、時おり太陽が顔を出してくれる。
白馬岳方面から下りてくる登山者の姿も増えてきた。
【AM6:50 三国境 到着】
ここは、長野県と新潟県と富山県の県境(これも、後で知った)
目の前に見えるのが、雪倉岳と朝日岳へと続く稜線。
「こちらも静かで良さそうな道ですね」
三国境から1時間。白馬岳への最後の急登を登ると、
ガスの中から山頂が見えてきた。
【AM7:50 白馬岳山頂 到着】
白馬大池から丁度、4時間で到着。
やっぱりガス多めの薄曇りで眺望はきかない。。。
ここで、朝飯を食べながら少し天気待ち・・・
すると。。。
30分ほどで、ガスが切れて。
「晴れた~!」
登頂のガッツポーズで自撮り
山頂からは、今まで歩いてきた稜線と、新潟県側の日本海が綺麗に見えた。
「今回はこのぐらいで満足かな?」
だって、この先にはまだ白馬三山の残り2座が待っている。
【AM8:50 白馬山荘 到着】
日本最大の収容人数を誇る山小屋。
いつかは泊まってみたいと思うけど、今回は休憩だけ。
併設のレストラン「スカイプラザ白馬」を見学。
おしゃれな店内で美味しいケーキとコーヒーでも頂きたいところだが、
レストランの営業は11時からだって・・・
登頂記念のお土産だけは買う事が出来た。
【AM9:50 白馬岳頂上宿舎】
白馬山荘を少し下ったところにある山小屋。
こちらもレストランの営業は11時から・・・
本来なら、あと1時間ほど待ってでも美味しい食事が食べたいところ。
白馬岳山頂から一番近いテン場はこの頂上宿舎にある。
当初はここでテントを張る計画だったが、眺望イマイチで正直惹かれるものが無かった。
「少し窪んだ場所にあるので、風の強い日はいいかもね。」
さてさて、白馬岳山頂と山荘での休憩で大分のんびりとし過ぎた・・・
目の前には、まだ杓子岳と白馬鑓ヶ岳が控えている。
ここまでの行動時間、6時間。
テント装備の荷物の重さが堪えてきた。。。
雲に隠れて良く見えないけど、残る白馬三山・二座への道のりはまだまだ長い。
「ここから白馬大雪渓を下りて、猿倉に下山しようかな~?」
っと、思ったけど。荷物にアイゼンを入れてこなかった(汗)
杓子岳 標高2812m
杓子岳は、白馬岳・鑓ヶ岳と併せて白馬三山と呼ばれる。
後立山連峰の主稜線上にあり、登山道は西側の山腹を巻くトラバース道がメインとなっている。斜面は概ねガレている。非対称山稜であり、長野県側は大きく切れ落ちている。(引用文)
【2日目 後半】
【AM10:00】
白馬頂上宿舎から杓子岳にむかって歩き出す。
コースタイムでは頂上宿舎から1時間で杓子岳。
さらにもう1時間で鑓ヶ岳へと至る事になっている。
「あと2時間で着くのか・・・?」
目の前の稜線は思ってたより厳しい道に見えてくる。
特に最後の鑓ヶ岳への登りは手強そう。。。
杓子岳に近づくと山腹をトラバースする巻道が見えてきた。
【AM10:45 杓子山頂と巻道の分岐】
下から見上げるとかなりの急登。
巻道をトラバースするのが楽だが、白馬三山を踏破するにはここを登らない訳にはいかない。
が、この道がかなりのガレガレ・・・
崩れやすい細かい石に脚を取られて、なかなか進まない。
足一歩出すごとに足元が崩れてきて苦労する。
(まだ登りだからいいけど、ここの下りはコワイですね)
【AM11:10 杓子岳山頂 到着】
この距離だけで25分かけて、やっと登頂。
ここでかなり体力を消耗・・・
おまけにガスが湧いてきて、白馬岳方向がわずかに見えない。
登頂の写真だけ撮って、早々に下山。山頂を振り返ると、
「杓子の山頂ってあんな所にあるんだね」
長野県側(東側)に大きく切れ落ちた左右非対称の山容が良くわかる。
ここの稜線はこわいので、気持ち富山県側(西側)に寄って歩く(笑)
杓子岳を過ぎると、今度は白馬鑓ヶ岳の登り。
振り返ると杓子岳
白馬鑓のほうから見ると、なかなか迫力のある山容。
白馬鑓への登りはキツくて、あまり道中の記憶が無い。
途中で何人も軽装の登山者に抜かれて行った。
おそらく、白馬山荘からのピストンか?
最後の白馬鑓山頂に向けて、もはや疲労困憊。。。
ようやく山頂への分岐に辿り着く。
【PM12:50 白馬鑓ヶ岳山頂 到着】
白馬大池のスタートから9時間。
ようやく白馬三山、最後の一座。白馬鑓ヶ岳に到着。
「ここまで、長かった・・・」
コース通過タイムを見直すと、杓子から白馬鑓までだいぶ時間かかってますね(汗)
白馬三山踏破の喜びをガッツポーズで表現してみました。(笑)
(写真撮ってくれた方、ありがとうございました)
「景色は、ま~真っ白ですけどね。。。」
(この日は終始、東側からガスが湧き出てスッキリとした景色を拝むことは出来ませんでした。そのかわり、ここまでの道中は直射日光に晒される事も無く、登山するには快適な気候だったと思います。もし快晴のカンカン照りだったら、途中でバテていたかもしれませんね。)
ここからの白馬・杓子への眺めが見たくて、山頂で暫く天気待ちしていたが、
疲れていたので、10分程度で諦めて下山にかかる。
振り返ると白馬鑓ヶ岳 標高2903m
鑓ヶ岳は、後立山連峰にある標高2903mの山。白馬三山のひとつ。
北アルプス南部の槍ヶ岳と区別するために、白馬鑓ヶ岳またはこれを略して白馬鑓と呼ばれる。読み方は「しろうまやりがたけ」あるいは「はくばやりがたけ」と読まれることも多い(引用文)
こちらから見ると、鑓ヶ岳というほど尖っては無く。堂々とした山容に見える。
【PM13:30 白馬鑓温泉への分岐】
あとは鑓温泉へと下るだけ。
真っすぐ行くと「不帰の儉」(かえらずのけん)を経由して唐松岳に至る。
少しは興味のある縦走路だが、今は早く下りて温泉に入りたい!
ここからは下るいっぽうだが、コースタイムで2時間ほどかかる。
道中、お花畑のような綺麗な場所もあるのだが
この時は花を愛でる余裕も無かった。
けっこう長い時間をガッツリと下る。
「この先、鎖場」の表示。
ここまでの下りで頼ってきたストックをザックにしまって準備する。
ここからの鎖場は足場が滑りやすく注意が必要と、事前情報は知っていた。
鎖場、到着
ここから鎖場が連続する。鎖の長さや傾斜は大した事ないのだが、
「とにかく、滑る・・・」
話には聞いていたけど、足場がぬれている上に石自体がツルツルで
登山靴のグリップが全然効かない。。。
足の踏ん張りが効かないので、鎖を握る手に力が入り気が抜けない。
慎重に下って無事、鎖場をクリアしたけど
「正直、剱岳の鎖場より神経を使ったよ・・・」
鎖場を抜けてホッとすると、暫くしてやっと山小屋の屋根が見えた。
【PM16:00 白馬鑓温泉 到着】
この日のゴール、白馬鑓温泉に到着。
途中、腹が減ってきて補給休憩を多めに入れたので、下ってくるだけで2時間半もかかった。
白馬大池を朝4時にスタートして、白馬鑓温泉に夕方4時到着。
「なんと、12時間もかかっているやないか・・・」
(足、遅いうえに休憩多いからね)
「やっと着いた。。。」
さっそく、テントを設営。今日も見晴らしの良い場所をゲット。
本日の「我が家」完成!
しかも今日は源泉かけ流し、24時間入り放題の露天風呂付き ♪
これは「我が家」というより、もはや「高級温泉旅館」だね!
(いや、あくまでテントだから・・・)
この日は、この後に温泉入って、晩飯食べて、すぐ寝ました。。。
「とにかく、今日は疲れたよ・・・」
何はともあれ、これで白馬三山縦走を終える2日目を無事、完歩。
白馬鑓温泉 標高2100m
【3日目】
今回の登山も最終日の3日目。
昨晩は昨日のロングトレイルの疲れもあり、夜7時過ぎには既に熟睡。
なので、朝は午前4時前に起床。スッキリと目が覚めた。
【AM5:00】
白馬鑓温泉のテン場も夜明け前
さっさと朝飯を済まして、ここでのお楽しみと言えば
「朝風呂しかないでしょう!」
露天風呂に浸かりながら、御来光を待つ。
すると。。。
「御来光、来た~!」
昨日のような中途半端な御来光では無く、今日は眩しいほどの太陽光。
しかも、露天風呂から迎える最高の朝。
「全身に日の光を浴びて、気持ちいい~」
閲覧注意!
「安心して下さい、逆光です(笑)」
【AM5:30】
白馬鑓温泉のテント場にも朝が訪れる。素晴らし景色に
「ホント、苦労してここまで歩いてきた甲斐があったよ」
露天風呂が気持ちよすぎて結局、朝5時から7時過ぎまで2時間以上もこの場所に居ました。お風呂に浸かりながら、昨日の道中で知り合った登山仲間さん達と、昨日までの登山の話や、今まで登ってきた山の話など楽しい時間を過ごしました。
(お風呂でもたくさん写真を撮って頂き、ありがとうございました)
白馬鑓温泉
ここ白馬鑓温泉は、白馬鑓ヶ岳の中腹、標高2100mに位置しており
白馬岳から縦走してきても猿倉から上山しても4時間以上かかる雲上の温泉。
源泉は小屋裏にある巨大な岩の割れ目から湧き出ていて43.1℃の源泉かけ流し。
1分間の湧出量は760リットルと標高日本一の天然湧出量を誇っています。(引用文)
お風呂は混浴の露天風呂と女性用の内風呂があり、24時間入り放題。
夜の1時間だけ、露天風呂が女性専用に変わる時間がありますが
ほぼ日中は、男はすっぽんぽんの裸。女性は水着着用で混浴していました。
料金は幕営料の2000円。テント1張り1名あたり1000円。入浴料1000円。
の計4000円でした。(2022年9月現在)
このロケーションで、登山の途中に入れる最高の温泉という事を考えれば、
個人的には、決して高く無いお値段でしたね。
しかも小屋の方は冬の積雪の為に、シーズン毎に建て直すそうです。
本当に労力がかかっていて、頭が下がります。
「最高の温泉をありがとうございました。」 感謝!
気軽に浸かれる足湯もありました。
登山の足の疲れも、取れそうです。
【AM8:10 下山開始】
ホント、この鑓温泉にはず~っと居たい気持ちになったが
スケジュール上そういう訳にもいかず、テントを撤収して下山開始。
道中は、滝や沢が流れていて水も豊富。
雪渓もまだ所々に残っていた。
下山する毎に気温が上がってきて、途中で沢の水を何度かかぶったが、
「これが、冷たくて気持ちいい!」
水が豊富なのか、高山植物も綺麗だった。
(高山植物には詳しくないので、何の花だかわかりませんが・・・)
それでも白馬岳周辺は色々な種類の高山植物が咲いているのに気付かされる。
【AM8:40】
下山から30分、振り返ると鑓温泉の小屋も小さくなってきた。
「白馬三山の主稜線とも、これでお別れですね」
【AM11:30 猿倉 到着】
下山はほぼ3時間半。後半は樹林帯の中をけっこう歩く。
途中で足の裏が異様に痛くなってくる。
昨日12時間も歩いたダメージかな?とも思ったけど
原因は、朝風呂に2時間も浸かっていて足がふやけていた事による靴ヅレだった・・・
最後は足を引きずるように到着。。。
「風呂の浸かり過ぎには、気を付けましょう(笑)」
【AM11:40 猿倉荘 到着】
今回の白馬三山縦走登山のゴール。猿倉荘に無事、到着。
猿倉荘では、昨日から仲良くさせてもらっていた登山仲間さんと集合写真まで撮って頂きました。
(プライバシー保護のため一応、加工してあります)
おかげでソロでも、楽しい登山になりました。
「ありがとうございます!」
猿倉からは、車を駐車してある栂池高原の駐車場までタクシーに同乗して戻りました。
安曇野まで戻り、登山の〆に信州の蕎麦。
これで、昨年の剱岳。今年は槍ヶ岳と白馬岳と、北アルプスの主役ともいうべき山に登頂出来て大満足の年になった。
時期的に、今年の北アルプスでの山行はこれが最後の予定。
「そろそろ北アルプス以外のお山にも登りたいかな?」
また、来年の計画も立てて行きたいと思う。
【編集後記】
昨年の剱岳から見えた白馬岳。数ある後立山連峰の山の中でも最も有名で人気のある山なので、いつかは登ってみたいと思っていた。
当初予定していた大雪渓からのルートは時期的に難しかった為に選んだ今回のルート。
1日目・3時間、2日目・12時間、3日目・3時間半と行程的には随分とバランスの悪い計画だった。2日目は余裕を見て早出したおかげで日没までには到着できたものの疲労困憊。白馬三山の縦走路を少し甘く見ていたのかもしれない。
それでも、1日で白馬三山を縦走出来た達成感は大きい。惜しむらくはガスが濃くて、白馬三山の主稜線を一度に眺めることが出来なかったところだろうか。
しかし、今回の山行で一番良かったのはテント場で過ごした時間だった。
1日目の白馬大池は素晴らしい景色を見ながら、のんびりとくつろぐことが出来たし、3日目の白馬鑓温泉の露天風呂がとにかく最高過ぎた。2日目の行程を多少無理しても辿り着く価値はあったし、その後に入る温泉は格別だった。
次回、白馬岳に登る機会があれば今回歩けなかった白馬大雪渓からのルートを選ぶと思うが、かえって山頂を目指すよりも、白馬大池か白馬鑓温泉のテント場目当てで登りたい気持ちのほうが今は大きい(笑)
登頂を目指す事よりも、その過程を楽しむ事が出来た今回の登山だった。
今年は7月に登山仲間3人で槍ヶ岳に登頂。天気にも恵まれ山頂からは綺麗な御来光を拝むことが出来ました。
(2022年7月 槍ヶ岳山頂)
その後。
昨年から2022年の目標は白馬岳に登ろうと決めていましたが、仕事のスケジュールや天候を見つつ時期を伺っていたら9月中旬になってしまいました。
当初は猿倉登山口から白馬大雪渓を登り、頂上宿舎でテン泊して下りて来ようと思っていましたが、時期は9月になり雪渓の状態は不安定に。。。
やむなく計画を変更して白馬にむかう事にしました。
【1日目】
【AM8:00 栂池高原駐車場】
登山のスタートは栂池から。ここからゴンドラとロープウェイを乗り継いで登山口を目指す。
栂池高原のゴンドラリフト。眼下には栂池高原スキー場が見える。
学生の頃にスキーをしに何度か来た事があるが、登山で訪れるのは今回が初めて。
【AM9:00 栂池自然園登山口】
麓の駐車場から約1時間、登山口に到着。
栂池自然園ビジターセンターに登山届を提出して登山開始。
この日の天気は快晴!9月中旬だというのに思ったより暑い・・・
半袖短パンで歩き出す。
今回の山行の計画。
栂池から白馬大池、白馬岳、白馬鑓温泉を経由して猿倉へ下りる2泊3日のコース。
特に2日目は白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳の白馬三山を一気に縦走する。
「歩行距離、長いけど大丈夫かなぁ。。。」
【AM10:10 天狗原 到着】
登山開始から1時間。
登山道に木道が現れると、すぐに天狗原に到着。
天狗原は池塘が点在する湿原になっている。ここまでの登山道は概ね緩やか。
湿原の先には、ちょっとした急登が見える。
「ここからが本格的な登山かな?」
天狗原から先は少し景観が変わり、大きな岩が点在する登山道になる。
登りも急だが、登山開始から2時間弱でまだまだ余裕。
テント泊のザックの重さもそれほど気にならない。
この時期でも雪渓は少し残っているが、雪の上を歩いたのはこの箇所だけ。
さすがに、このルートにもうアイゼンは必要ないだろう。
程よい登りもすぐに終わり、一面ハイマツの景色が広がる。
【AM11:30 白馬乗鞍岳山頂 到着】
「これが山頂?」と思わず言いたくなるほど、なだらかな山頂部。
北アルプス南部の「乗鞍岳」と区別するため一般的に「白馬乗鞍岳」と呼ばれている、れっきとしたお山。標高は2469m。
立派なケルンが無ければ、ただの丘にしか見えないけどね(笑)
とりあえず今回の一座目ゲット。
7月の槍ヶ岳登山では一応、年長者の為にリーダーを務めたが
実際の登山では体力的に他の2人に後れを取り、脚を引っ張る始末・・・
運動不足を反省し、この2カ月間はジョギングをして身体を準備してきた。
「今回はイケるかも!」
(と、この時点では、浅はかにもそう思っている)
乗鞍岳を通過すると、眼前に湖が見えてくる。
今回の登山の目的のひとつ「白馬大池」
火山の噴火により堰き止められてできた火山性の湖である。
「白馬大池、来たー!」
この瞬間からテンションが上り、写真を撮る回数が増えて、なかなか先に進めない。
実際に見る白馬大池は、想像していたよりも大きくて綺麗な湖だった。
湖畔の登山道を進むと、「白馬大池山荘」も見えてきた。
【AM12:05 白馬大池山荘 到着】
登山口から、ちょうど3時間で本日の宿泊地・白馬大池山荘に到着。
今日はここでテント泊の予定。
で、さっそく本日の「我が家」完成!
まだお昼で、テント場もそれほど混雑していない。
運良く、大池に近い端っこを一区画ゲット。
テントの中でコーヒーを淹れて寛ぐ。。。
テントからは目の前に白馬大池が広がっている。
これは「我が家」というより、もはやリゾートだね。
「白馬大池レイクサイドホテル」といった趣き(笑)
(いや、あくまでテントだけどね・・・)
簡単に昼食を済ませて、あとは湖畔でまったりと。。。
穏やかな湖面を見つめながら、のんびりと過ごす。
この頃には続々と登山者も到着し、テント場も少し賑やかになってきた。
【PM15:00】
何もしないのも勿体ないので、アタックザックを持って白馬岳方面に登ってみる。
明日は長丁場の行程上、暗いうちから出発する予定。
初めて歩く道なので、明るいうちに危険個所が無いかチェックしておく。
幸い、登山道は極めて明瞭で、危ない箇所や道迷いする恐れは無い様子。
「こちらから眺める白馬大池も綺麗だなぁ」
「これはチングルマかな?」
花も終って、綿毛になっている。白馬も、もう秋の装い。
【PM18:00】
テントに戻ってきて、夕飯の支度。
「いつもは飲まないビールも、今日は飲んでしまおう」
白馬大池での、のんびりとした時間は最高の贅沢だった。
明日は、日の出前の朝4時に出発の予定。
「ビール飲んで、早く寝よっと ♪」
【PM18:20】
夕暮れ間近、ビール片手に付近を散策。
日焼けとビールで火照った身体に、初秋の爽やかな風がとても心地よい。
「明日も晴れると、いいな~」
白馬山荘と白馬岳(標高2932m)
白馬岳は北アルプス北部の後立山連峰にある標高2932mの山。
白馬岳は杓子岳、白馬鑓ヶ岳とともに白馬三山と呼ばれている。
その山容は南北に伸びる稜線の傾斜が著しく異なる非対称稜線が発達している。
山頂直下に位置する白馬山荘は日本最大の収容人員を誇る山小屋であり、
宗教登山に由来しない山小屋としては日本最古の山小屋である。(引用文)
【2日目 前半】
昨晩はビールを飲んで日没とともに就寝。
夜中にトイレに起きると、お月様が綺麗だった。
この日は「中秋の名月」の翌日。
起きたついでで勿体ないので、しばらくお月見。
スマホなので上手く撮れないけど、白馬大池に映る満月が綺麗だった。
静かな湖畔で中秋の名月を独り占め♪
【AM3:50 白馬大池 出発】
翌朝は午前2時半には起床。テントを撤収して4時前にテン場を出発する。
この日の行程は10時間以上かかる予定。多少、余裕を見てもこの時間には出ないといけない。
「頑張れば、小蓮華山あたりで御来光が見れるかな?」
ヘッドランプを点けて歩き出す。
月明かりが照らしてくれるので、それほど不安無く歩ける。
逆に月に見惚れて、躓かないようにしないとね。
先行者が3名ほどいるのか、ヘッデンの灯りが見えた。
【AM4:50】
出発から1時間ほど登山道を歩くと、空が焼けてきた。
「船越の頭」で御来光を待つ登山者の姿も見える。
この日の御来光は5時半頃。小蓮華山山頂までに間に合うかな?
【AM5:20 小蓮華山 山頂到着】
丁度、御来光が始まる時間に無事、小蓮華山に到着。
小蓮華山、標高2766m。
(この場所が新潟県で、この山が新潟県最高峰だというのは、後日知ったこと)
肝心の御来光は。。。
「う~ん、イマイチ・・・」
上空の雲が少し厚いかな。
白馬岳も半分モルゲンロート(笑)
それでも十分綺麗だけどね。
薄い陽光に照らされる白馬大池も幻想的で綺麗でした。
【AM6:20】
小蓮華山から先は気持ちの良い稜線歩き。
相変わらず雲のカーテンが半分だけ白馬岳を覆い隠している。
私の想像だと、白馬岳山頂はクッキリ。その下に雲海が広がっている画を予想してたんだけど・・・
この日は全くの上下反対ですね(笑)
それでも、この日は決して天気が悪い訳では無く、時おり太陽が顔を出してくれる。
白馬岳方面から下りてくる登山者の姿も増えてきた。
【AM6:50 三国境 到着】
ここは、長野県と新潟県と富山県の県境(これも、後で知った)
目の前に見えるのが、雪倉岳と朝日岳へと続く稜線。
「こちらも静かで良さそうな道ですね」
三国境から1時間。白馬岳への最後の急登を登ると、
ガスの中から山頂が見えてきた。
【AM7:50 白馬岳山頂 到着】
白馬大池から丁度、4時間で到着。
やっぱりガス多めの薄曇りで眺望はきかない。。。
ここで、朝飯を食べながら少し天気待ち・・・
すると。。。
30分ほどで、ガスが切れて。
「晴れた~!」
登頂のガッツポーズで自撮り
山頂からは、今まで歩いてきた稜線と、新潟県側の日本海が綺麗に見えた。
「今回はこのぐらいで満足かな?」
だって、この先にはまだ白馬三山の残り2座が待っている。
【AM8:50 白馬山荘 到着】
日本最大の収容人数を誇る山小屋。
いつかは泊まってみたいと思うけど、今回は休憩だけ。
併設のレストラン「スカイプラザ白馬」を見学。
おしゃれな店内で美味しいケーキとコーヒーでも頂きたいところだが、
レストランの営業は11時からだって・・・
登頂記念のお土産だけは買う事が出来た。
【AM9:50 白馬岳頂上宿舎】
白馬山荘を少し下ったところにある山小屋。
こちらもレストランの営業は11時から・・・
本来なら、あと1時間ほど待ってでも美味しい食事が食べたいところ。
白馬岳山頂から一番近いテン場はこの頂上宿舎にある。
当初はここでテントを張る計画だったが、眺望イマイチで正直惹かれるものが無かった。
「少し窪んだ場所にあるので、風の強い日はいいかもね。」
さてさて、白馬岳山頂と山荘での休憩で大分のんびりとし過ぎた・・・
目の前には、まだ杓子岳と白馬鑓ヶ岳が控えている。
ここまでの行動時間、6時間。
テント装備の荷物の重さが堪えてきた。。。
雲に隠れて良く見えないけど、残る白馬三山・二座への道のりはまだまだ長い。
「ここから白馬大雪渓を下りて、猿倉に下山しようかな~?」
っと、思ったけど。荷物にアイゼンを入れてこなかった(汗)
杓子岳 標高2812m
杓子岳は、白馬岳・鑓ヶ岳と併せて白馬三山と呼ばれる。
後立山連峰の主稜線上にあり、登山道は西側の山腹を巻くトラバース道がメインとなっている。斜面は概ねガレている。非対称山稜であり、長野県側は大きく切れ落ちている。(引用文)
【2日目 後半】
【AM10:00】
白馬頂上宿舎から杓子岳にむかって歩き出す。
コースタイムでは頂上宿舎から1時間で杓子岳。
さらにもう1時間で鑓ヶ岳へと至る事になっている。
「あと2時間で着くのか・・・?」
目の前の稜線は思ってたより厳しい道に見えてくる。
特に最後の鑓ヶ岳への登りは手強そう。。。
杓子岳に近づくと山腹をトラバースする巻道が見えてきた。
【AM10:45 杓子山頂と巻道の分岐】
下から見上げるとかなりの急登。
巻道をトラバースするのが楽だが、白馬三山を踏破するにはここを登らない訳にはいかない。
が、この道がかなりのガレガレ・・・
崩れやすい細かい石に脚を取られて、なかなか進まない。
足一歩出すごとに足元が崩れてきて苦労する。
(まだ登りだからいいけど、ここの下りはコワイですね)
【AM11:10 杓子岳山頂 到着】
この距離だけで25分かけて、やっと登頂。
ここでかなり体力を消耗・・・
おまけにガスが湧いてきて、白馬岳方向がわずかに見えない。
登頂の写真だけ撮って、早々に下山。山頂を振り返ると、
「杓子の山頂ってあんな所にあるんだね」
長野県側(東側)に大きく切れ落ちた左右非対称の山容が良くわかる。
ここの稜線はこわいので、気持ち富山県側(西側)に寄って歩く(笑)
杓子岳を過ぎると、今度は白馬鑓ヶ岳の登り。
振り返ると杓子岳
白馬鑓のほうから見ると、なかなか迫力のある山容。
白馬鑓への登りはキツくて、あまり道中の記憶が無い。
途中で何人も軽装の登山者に抜かれて行った。
おそらく、白馬山荘からのピストンか?
最後の白馬鑓山頂に向けて、もはや疲労困憊。。。
ようやく山頂への分岐に辿り着く。
【PM12:50 白馬鑓ヶ岳山頂 到着】
白馬大池のスタートから9時間。
ようやく白馬三山、最後の一座。白馬鑓ヶ岳に到着。
「ここまで、長かった・・・」
コース通過タイムを見直すと、杓子から白馬鑓までだいぶ時間かかってますね(汗)
白馬三山踏破の喜びをガッツポーズで表現してみました。(笑)
(写真撮ってくれた方、ありがとうございました)
「景色は、ま~真っ白ですけどね。。。」
(この日は終始、東側からガスが湧き出てスッキリとした景色を拝むことは出来ませんでした。そのかわり、ここまでの道中は直射日光に晒される事も無く、登山するには快適な気候だったと思います。もし快晴のカンカン照りだったら、途中でバテていたかもしれませんね。)
ここからの白馬・杓子への眺めが見たくて、山頂で暫く天気待ちしていたが、
疲れていたので、10分程度で諦めて下山にかかる。
振り返ると白馬鑓ヶ岳 標高2903m
鑓ヶ岳は、後立山連峰にある標高2903mの山。白馬三山のひとつ。
北アルプス南部の槍ヶ岳と区別するために、白馬鑓ヶ岳またはこれを略して白馬鑓と呼ばれる。読み方は「しろうまやりがたけ」あるいは「はくばやりがたけ」と読まれることも多い(引用文)
こちらから見ると、鑓ヶ岳というほど尖っては無く。堂々とした山容に見える。
【PM13:30 白馬鑓温泉への分岐】
あとは鑓温泉へと下るだけ。
真っすぐ行くと「不帰の儉」(かえらずのけん)を経由して唐松岳に至る。
少しは興味のある縦走路だが、今は早く下りて温泉に入りたい!
ここからは下るいっぽうだが、コースタイムで2時間ほどかかる。
道中、お花畑のような綺麗な場所もあるのだが
この時は花を愛でる余裕も無かった。
けっこう長い時間をガッツリと下る。
「この先、鎖場」の表示。
ここまでの下りで頼ってきたストックをザックにしまって準備する。
ここからの鎖場は足場が滑りやすく注意が必要と、事前情報は知っていた。
鎖場、到着
ここから鎖場が連続する。鎖の長さや傾斜は大した事ないのだが、
「とにかく、滑る・・・」
話には聞いていたけど、足場がぬれている上に石自体がツルツルで
登山靴のグリップが全然効かない。。。
足の踏ん張りが効かないので、鎖を握る手に力が入り気が抜けない。
慎重に下って無事、鎖場をクリアしたけど
「正直、剱岳の鎖場より神経を使ったよ・・・」
鎖場を抜けてホッとすると、暫くしてやっと山小屋の屋根が見えた。
【PM16:00 白馬鑓温泉 到着】
この日のゴール、白馬鑓温泉に到着。
途中、腹が減ってきて補給休憩を多めに入れたので、下ってくるだけで2時間半もかかった。
白馬大池を朝4時にスタートして、白馬鑓温泉に夕方4時到着。
「なんと、12時間もかかっているやないか・・・」
(足、遅いうえに休憩多いからね)
「やっと着いた。。。」
さっそく、テントを設営。今日も見晴らしの良い場所をゲット。
本日の「我が家」完成!
しかも今日は源泉かけ流し、24時間入り放題の露天風呂付き ♪
これは「我が家」というより、もはや「高級温泉旅館」だね!
(いや、あくまでテントだから・・・)
この日は、この後に温泉入って、晩飯食べて、すぐ寝ました。。。
「とにかく、今日は疲れたよ・・・」
何はともあれ、これで白馬三山縦走を終える2日目を無事、完歩。
白馬鑓温泉 標高2100m
【3日目】
今回の登山も最終日の3日目。
昨晩は昨日のロングトレイルの疲れもあり、夜7時過ぎには既に熟睡。
なので、朝は午前4時前に起床。スッキリと目が覚めた。
【AM5:00】
白馬鑓温泉のテン場も夜明け前
さっさと朝飯を済まして、ここでのお楽しみと言えば
「朝風呂しかないでしょう!」
露天風呂に浸かりながら、御来光を待つ。
すると。。。
「御来光、来た~!」
昨日のような中途半端な御来光では無く、今日は眩しいほどの太陽光。
しかも、露天風呂から迎える最高の朝。
「全身に日の光を浴びて、気持ちいい~」
閲覧注意!
「安心して下さい、逆光です(笑)」
【AM5:30】
白馬鑓温泉のテント場にも朝が訪れる。素晴らし景色に
「ホント、苦労してここまで歩いてきた甲斐があったよ」
露天風呂が気持ちよすぎて結局、朝5時から7時過ぎまで2時間以上もこの場所に居ました。お風呂に浸かりながら、昨日の道中で知り合った登山仲間さん達と、昨日までの登山の話や、今まで登ってきた山の話など楽しい時間を過ごしました。
(お風呂でもたくさん写真を撮って頂き、ありがとうございました)
白馬鑓温泉
ここ白馬鑓温泉は、白馬鑓ヶ岳の中腹、標高2100mに位置しており
白馬岳から縦走してきても猿倉から上山しても4時間以上かかる雲上の温泉。
源泉は小屋裏にある巨大な岩の割れ目から湧き出ていて43.1℃の源泉かけ流し。
1分間の湧出量は760リットルと標高日本一の天然湧出量を誇っています。(引用文)
お風呂は混浴の露天風呂と女性用の内風呂があり、24時間入り放題。
夜の1時間だけ、露天風呂が女性専用に変わる時間がありますが
ほぼ日中は、男はすっぽんぽんの裸。女性は水着着用で混浴していました。
料金は幕営料の2000円。テント1張り1名あたり1000円。入浴料1000円。
の計4000円でした。(2022年9月現在)
このロケーションで、登山の途中に入れる最高の温泉という事を考えれば、
個人的には、決して高く無いお値段でしたね。
しかも小屋の方は冬の積雪の為に、シーズン毎に建て直すそうです。
本当に労力がかかっていて、頭が下がります。
「最高の温泉をありがとうございました。」 感謝!
気軽に浸かれる足湯もありました。
登山の足の疲れも、取れそうです。
【AM8:10 下山開始】
ホント、この鑓温泉にはず~っと居たい気持ちになったが
スケジュール上そういう訳にもいかず、テントを撤収して下山開始。
道中は、滝や沢が流れていて水も豊富。
雪渓もまだ所々に残っていた。
下山する毎に気温が上がってきて、途中で沢の水を何度かかぶったが、
「これが、冷たくて気持ちいい!」
水が豊富なのか、高山植物も綺麗だった。
(高山植物には詳しくないので、何の花だかわかりませんが・・・)
それでも白馬岳周辺は色々な種類の高山植物が咲いているのに気付かされる。
【AM8:40】
下山から30分、振り返ると鑓温泉の小屋も小さくなってきた。
「白馬三山の主稜線とも、これでお別れですね」
【AM11:30 猿倉 到着】
下山はほぼ3時間半。後半は樹林帯の中をけっこう歩く。
途中で足の裏が異様に痛くなってくる。
昨日12時間も歩いたダメージかな?とも思ったけど
原因は、朝風呂に2時間も浸かっていて足がふやけていた事による靴ヅレだった・・・
最後は足を引きずるように到着。。。
「風呂の浸かり過ぎには、気を付けましょう(笑)」
【AM11:40 猿倉荘 到着】
今回の白馬三山縦走登山のゴール。猿倉荘に無事、到着。
猿倉荘では、昨日から仲良くさせてもらっていた登山仲間さんと集合写真まで撮って頂きました。
(プライバシー保護のため一応、加工してあります)
おかげでソロでも、楽しい登山になりました。
「ありがとうございます!」
猿倉からは、車を駐車してある栂池高原の駐車場までタクシーに同乗して戻りました。
安曇野まで戻り、登山の〆に信州の蕎麦。
これで、昨年の剱岳。今年は槍ヶ岳と白馬岳と、北アルプスの主役ともいうべき山に登頂出来て大満足の年になった。
時期的に、今年の北アルプスでの山行はこれが最後の予定。
「そろそろ北アルプス以外のお山にも登りたいかな?」
また、来年の計画も立てて行きたいと思う。
【編集後記】
昨年の剱岳から見えた白馬岳。数ある後立山連峰の山の中でも最も有名で人気のある山なので、いつかは登ってみたいと思っていた。
当初予定していた大雪渓からのルートは時期的に難しかった為に選んだ今回のルート。
1日目・3時間、2日目・12時間、3日目・3時間半と行程的には随分とバランスの悪い計画だった。2日目は余裕を見て早出したおかげで日没までには到着できたものの疲労困憊。白馬三山の縦走路を少し甘く見ていたのかもしれない。
それでも、1日で白馬三山を縦走出来た達成感は大きい。惜しむらくはガスが濃くて、白馬三山の主稜線を一度に眺めることが出来なかったところだろうか。
しかし、今回の山行で一番良かったのはテント場で過ごした時間だった。
1日目の白馬大池は素晴らしい景色を見ながら、のんびりとくつろぐことが出来たし、3日目の白馬鑓温泉の露天風呂がとにかく最高過ぎた。2日目の行程を多少無理しても辿り着く価値はあったし、その後に入る温泉は格別だった。
次回、白馬岳に登る機会があれば今回歩けなかった白馬大雪渓からのルートを選ぶと思うが、かえって山頂を目指すよりも、白馬大池か白馬鑓温泉のテント場目当てで登りたい気持ちのほうが今は大きい(笑)
登頂を目指す事よりも、その過程を楽しむ事が出来た今回の登山だった。