2019年9月 奥穂高岳登山

奥穂高岳に登ってきました。
当ブログ恒例の年一更新です。
ブログは半休止していますが、それなりにアウトドア活動は続けています。
キャンプ年1回、スキー年3回、磯釣り年3回。 ま~そんな程度ですが・・・
登山は今年7月に、最近登山を始めた従兄弟を連れて
燕岳に日帰り登山して以来2回目です。
さて本題、今年の目的地は奥穂高岳。
昨年、槍ヶ岳に登ったときから今年の目標は奥穂高岳に決めていた。
奥穂高も中学生のときに、涸沢~奥穂~前穂~岳沢のルートで登っている。
今年の計画ルートは
1日目 上高地から涸沢まで上がり、涸沢でテント泊。
2日目 涸沢にテントをデポして、奥穂山頂ピストン、涸沢でもう一泊テント泊。
3日目 涸沢から上高地に下山、そのまま帰宅。
という予定。
涸沢までテント担いで上がれば、奥穂山頂までは軽い荷物であがれるし
涸沢で2泊するのでテントの設営と撤収が1回で済む。
我ながら、いかにズボラで省力登山を目指しているのかがバレてしまう。。。
【1日目 前半】

【AM5:30 沢渡駐車場】
安曇野の家に前泊し、早朝5時に車で沢渡入り。
今回の登山は9月の3連休と紅葉最盛期の10月をかわして
9月最終の金・土・日曜日で日程を設定したが、
前週の3連休が台風だったため多少の混雑を予測していた。
が、始発のバスターミナルには人もまばらで少し肩すかし。。。

【AM6:30 上高地バスターミナル】
6時始発のバスに乗り、上高地のバスターミナルに到着。
バスターミナル横にあるインフォメーションセンターで登山届けを提出。
大きな荷物を背負った登山者が続々と集まってくる。

【AM6:50 河童橋 出発】
今年も河童橋からの出発。朝一で少し肌寒い。
今回の山行は2泊3日のテント泊装備、容量75リットルのザックに荷物満載。
荷物の重量はザック込みで16キロ+食料・水2キロの計18キログラム。
もしこれで天気でも悪ければ、肩に食い込む荷物の重量に比例して気分も重くなるはずだが・・・
しかしこの日の天気は最高!!

河童橋から穂高連峰が見渡せる。
この景色を見るとこれからの山行の期待に気分も軽くなる。
ザックの重さなどまるで気にならない(はずだ)

正面少し右が今回の目的地、奥穂高岳 標高3190m。
雲ひとつ無く、山頂付近まではっきりと見て取れる。
今日の天候は晴れ。しかし明日から天気は徐々に下り坂の予報。

2泊3日の登山のスタートは柔らかな木漏れ日の中、小梨平を通過していく。
しばらくは整備された遊歩道が続く。

【AM7:30 明神池分岐】
歩き始めてから40分で明神館に到着。
ここを左に入ると、明神橋を経由して明神池に行ける。
今回は直進して、まずは徳沢を目指す。

明神岳を左に見ながらしばらく歩く。
昨年の灼熱の夏山登山とはうって変わって、秋晴れの爽やかな登山道を気分良く行く。

【AM8:20 徳沢園】
昨年は初日にテント泊した徳沢園。
今年は初日の目的地、涸沢までサクサクと進む。

【AM9:10 横尾山荘】
河童橋出発から2時間20分で横尾山荘に到着。
ここまではほぼ平坦な道だが、いいペースで進んでいる。
ここで少し休憩。

ここ横尾は穂高岳と槍ヶ岳の分岐点、多くの登山者で賑わっている。
朝飯のパンを頬張りながら見ていると、槍ヶ岳方面に進む人も多かった。

横尾大橋を渡り、涸沢方面に進む。
ここまでのトレッキングエリアとは違い、ここからは徐々に登山道らしくなっていく。
とは言っても、序盤はなだらかな登りで気持ちのいい林間コース。

出発からここまで3時間ほど歩いてきたが、今日はすこぶる調子がいい。
団体さんの登山客を次々とパスしていく。
昨年の槍ヶ岳登山から1年間の間に、いろいろなスポーツイベントにも参加。
徳島マラソン 42.195㎞
安曇野ハーフマラソン 21㎞
びわ湖一周ロングライド 160㎞
富士山一周サイクリング 120㎞
淡路島一周ロングライド 150㎞
全て完走(タイムは恥ずかしいのでノーコメント)
週一回のトレーニングジム通いと合わせて、徐々に効果は現れてきているように思う。
(なぜか体重・体脂肪率・体型は一年前と全然変わっていないのだが・・・)

【AM10:40 本谷橋】
横尾から2.8㎞、涸沢まで2.4㎞にある橋。横尾~涸沢間の中間地点。
沢のすぐそばで日陰があるので多くの登山者が休憩していた。
ここから次第に登山道の傾斜が増していく。
完全に日が昇り、暑くなってきたのでウインドブレーカーを1枚脱いだ。

登山道左手に大岩壁の“屛風岩”

ガレ場を過ぎると徐々に視界が開け、右側前方に涸沢が見えてきた。

木々の間からはっきりと涸沢カールが確認できる。
少しへっこんでいる鞍部に穂高岳山荘があり、その左側が奥穂高岳のはずだ。
素晴らしい天気と眺望にテンションが上がる。

振り返るとだいぶ山深くまで入ってきたことがわかる。
ここから涸沢まではあと1時間ほどの距離か、もう一踏ん張り。

【PM12:30 涸沢ヒュッテ 到着】
本日の目的地、涸沢に到着。
涸沢までの参考コースタイムは上高地から6時間。
私の計画では午後2時に到着する予定だったが、予定より1時間半も早く到着してしまった。
とりあえず涸沢ヒュッテで休憩することにする。

涸沢ヒュッテのテラスから、今日歩いてきた道を振り返る。
手前右が屛風岩。
一番奥に見えるのが、横通岳~東天井岳~大天井岳とつながる一昨年歩いた縦走路。
今年の目標は奥穂高岳の登頂と、ここ涸沢でのテント泊。
涸沢のテント場は全国でも有名な人気のテント場。
ここでのテント泊も楽しみのはずだったが、、、
「今日の調子からは何だか物足りないぞ?」
ここに来て変な欲が心の中で頭をもたげる。
ここから先は今までの登山道とは違い、“ザイテングラート”という難所が待ち受ける。
斜度は急になり、岩場をよじ登るようになると思う。
今日の重量の荷物を背負って行けるだろうか?
時間的にもコースタイム2時間半で登って、穂高岳山荘のテン場にテントを設営できるだろうか?
などなど、冷静に考え直してみる。
「ま~とりあえず飯でも食べて考えようか」

「涸沢ヒュッテのラーメン、最高にウマイ!」

ザイテングラートから涸沢方面をのぞむ
【1日目 後半】
涸沢ヒュッテに到着したものの、時間はまだ昼の12時半。
ここでテントを張って泊まるのも有りだが、
さらに登って穂高岳山荘のテン場でテントを張るのも悪くない。
穂高岳山荘まではコースタイムで2時間半。
ラーメン食べてすぐに出発すれば、到着予想時刻3時半。どんなに遅くとも4時には着けるだろう。
日没まではまだ時間がある。

待ち受けるは奥穂登山の難所といわれる“ザイテングラート”
問題はここをテント装備の重い荷物を背負って登らないといけないのと、
夕方4時に上のテン場についてもテントを張る場所があるかどうか。
涸沢ヒュッテの受付の人に、
この時間から上がって穂高岳山荘のテン場が空いているか聞いてみた。
受付の人 「上にいってみないとわかりません。」
至極、真っ当な答えである。。。

涸沢カールの眺めはこの通り。
肉眼でも、ザイテングラートの先に穂高岳山荘が佇んでいるのが見える。
「これはもう行くしかないでしょ!」
明日から天気は下り坂。
天気の良いうちにこの眺めを見ながら登るのが一番いいと判断した。
そうと決まれば、ラーメンのスープを最後の一滴まで飲み干してスグに出発。

【PM13:00 涸沢ヒュッテ 出発】
涸沢のテント場にはすでに多くの人がテントを張っている。
テント場の上部に建っているのが涸沢小屋。
その上にそびえ立つのが北穂高岳(標高3106m)だろう。
涸沢のテントでビールを飲みながらくつろいでいる登山客を横目に先に進む。。。

涸沢小屋の横を通過して、最初の登りはこんな感じ。
岩々(いわいわ)だけど、しっかり整備されていて浮石も無いので登りやすい。
涸沢小屋から上は持参したヘルメットを装着。ここから先は落石注意。

涸沢カールの斜面をトラバースして、ザイテングラートにむかう。
ここらへんはまだなだらか。

ザイテングラート取り付き部
少し左に巻いてから、中央のこんもりとした部分を上がっていく。
ここから急に斜度が上がるので、ポールをザックにしまい気を引き締める。

斜度が上がると、登山道の半分は両手両足を使っての岩登り。
荷物は重いが手も使って登るので、荷重が分散してわりと楽かも?
ザイテングラートは難所と呼ばれている割りに決して難しい岩場では無いが、
過去にここで何度も滑落などの重大事故が起きているらしい、油断禁物。
途中、鎖場と梯子が1箇所づつある。

ヒイヒイ言いながら、核心部っぽいところを過ぎると、そこは最高の眺め。
涸沢からだいぶ上がってきたのが一目でわかる。
紅葉はまだまだのようだけど、十二分に美しい景色。

左手に見える前穂高岳(標高3090m)の姿が見事だ。
この景色が、何万年もかけて氷河で削られて出来たものだと考えるとスゴイ。
ここまで来ればもう一息かな?
涸沢小屋からほぼ同じペースでここまで登ってこられた二人組の山ガールさんと
写真撮ったり、撮ってもらったり。ここまでの苦労を分かち合う。

程なくして穂高岳山荘が見えてきた。

ゴールはもうすぐ!
最後の斜面をあがる。

【PM15:30 穂高岳山荘 到着】
涸沢からちょうどコースタイム通りの2時間半で穂高岳山荘に到着。
今日のスタート、河童橋から8時間半でのゴール。
「やっと着いた。。。」
まずはテントを張る場所の確保。
テン場は山荘のすぐ横にある。

穂高岳山荘のテン場は収容数30張りから40張り。
着いたところ、設営しているテントは10張りほどでまだまだ余裕がありそう。
ホッとしてテントを張る場所を決めて座り込む。。。

「よくやった、俺!」
疲れて、もう動く気にもならない・・・

しばらく休憩後、穂高岳山荘でテントの受付。
テントは張り数に関係無く、1人1000円。
私はソロなので当然1張り1000円。トイレ、洗面、水の料金込みとリーズナブル。
外来者用のトイレも綺麗(あくまで山小屋レベルですが)
そして、ここ穂高岳山荘は水がウマイ!
炊事や飲料用に水は汲み放題、場所のわりに水量が豊富に感じた。
(もちろん節水第一ですが)
今日の我が家の設営完了。

下が平らで眺めの良い、わりといい場所が残っていた。
標高3000mの我が家。

眺め最高。
正面に前穂高岳が見える。
コーヒーを沸かして、狭いリビング(?)で寛ぐ、満ち足りた時間。
これなら重いテント背負ってくる甲斐があるかな。。。

上からは涸沢のテントも豆粒ぐらい小さく見える。
この時点で夕方5時をまわったところ。
まだ明るいが、秋で日没が早いので山頂には明日登ることにした。

穂高岳山荘の中で先にお土産を買っておく。
夕方4時までに頼めば、山荘内での夕食も可能らしいが、
今日は持ってきた食糧を食べて、少しでも荷物を軽くしておこう。

夕飯は下から担ぎ上げた、コンビニのにぎりめしとフリーズドライ食品。
少し物足りないが、今日は疲れたので早く食べて早く寝よう。
私は下戸で高山でビールは飲まないが、山荘で買ったつまみのスナック菓子がやけにうまかった。
(痩せない原因はここだろう)

今日はいい天気だったが、少し雲が出てきた。
山小屋に掲示されていた気象情報によると、明日の天気は曇りのち雨。
未明から朝はにわか雨の可能性。日中は稜線が霧に包まれて風が強まり、
次第に雨が降ったり止んだりの天気に。 と書いてあった。
つまり明日は天気が悪く、眺望は期待できないってことね。。。

夕暮れはこんな感じ。雲が多く、辛うじて空が焼けているのがわかる。
山に来れば悪天候は付き物、今までも何度も経験してきているので特に問題はない。
でも・・・
「せめて雨さえ降らなければいいかな、出来れば強風も勘弁。もしかして晴れたりして!?」
けっこう欲張りな願いである(笑)

日も暮れて、穂高岳山荘にも灯りがともる。
明日の好天を願いつつ、今日は寝よう。
「おやすみなさい。」

奥穂高岳 標高3190m
奥穂高岳は、中部山岳国立公園の飛騨山脈にある標高3190mの山。
穂高岳の主峰、日本第3位の高峰。日本百名山に選定されている。
北は大キレットの峻険な登降を経て、南岳、大喰岳の先の槍ヶ岳に連なり、
南は西穂高岳に至る痩せ尾根を経て焼岳に連なる。
また吊り尾根を経て前穂高岳に至り、カールを下れば上高地河童橋に至る。
奥穂高岳を含む穂高連峰は、剱岳・谷川岳と共に日本三大岩場に数えられ、
難易度の高い縦走路や登攀ルートを数多く抱えている。
その迫力のある急峻な岩稜、稜線からのパノラマ、涸沢からの
壮大な眺めなどが多くの登山者を魅了している。
(引用文)
【2日目】
奥穂高岳登山も2日目。
この日は穂高岳山荘から奥穂高岳山頂に向かう。
昨晩は風も無く、昨日の登山の疲れからかよく眠れた。
朝5時起床。

テントの外はすでに薄明るくなっていたが、、、 周囲真っ白。
雨こそ降っていなかったが、概ね天気予報のとおり・・・
この日は行程的にそんなに急ぐ事も無かったので、
テントの中で朝飯のラーメンを食べながら、ガスが晴れるのを待ってみる。

朝は少し寒かったため、山荘に移動しストーブに当たりながらコーヒーを頂く。
山荘で1時間ほど様子を見ていたが、外の様子は一向に変わらないので山頂に向かう事にした。

【AM7:00 穂高岳山荘 出発】
穂高岳山荘から奥穂高岳山頂まではコースタイム50分。
同じく山荘で待機していた他の登山者も徐々に登頂を開始する。
あまり遅くなると、涸沢から登ってくる登山者とバッティングして混雑も予想される。

最初は急な岩登り。
雨は降っていないが岩場が濡れているので足場が多少滑る。

3点支持の基本を忠実に守り、慎重に登る。
ザックは少量の荷物を入れたアタックザックなので身体は軽い。

登りの序盤に鎖場と梯子がある。
槍ヶ岳と比べてどちらも短い区間だけど、鎖も梯子も滑るので注意が必要。
この時間は下山してくる人も少なく、行き違いの渋滞はしていない。

最初の急な岩登りを終えると、あとは徐々に緩やかな登りになる。
既に稜線に出ているが、周りは相変わらずガスに覆われている。
山頂から降りてきた登山者と話しても、上(山頂)も同じだって。
しばらく登っていくが、ガスが濃くてどれがピークかよく分からない。

登頂開始から30分。霧の中に山頂が見えてきた。


【AM7:40 奥穂高岳山頂 到着】
穂高岳山荘から40分。昨日の上高地の出発から合計9時間ほどで
奥穂高岳山頂に到達。

親に連れられて中学生の時に登って以来、32年ぶり2回目の登頂。
日本第3位の山頂。
昨日の重い荷物を背負っての登攀。山頂までの岩登り。
山頂に立った達成感とともに
「何も見えね~」
景色真っ白。。。
(これは仕方ない・・・)

快晴ならここから穂高連峰の山々、焼岳・笠ヶ岳・槍ヶ岳・常念岳の360°の大展望。
そして真近には“ジャンダルム”が大迫力で見えるはずだ。
山頂で他の登山者の方とお話ししながら20分ほどガスが晴れるのを待っていたが、
「今日は無理か。」
風が吹いて、雨が降ってこないうちに下山を開始する。

山頂から半分ぐらい降りてきた頃に少しだけガスがはれてきた。
今まで霧に包まれていた、向かいの涸沢岳(標高3110m)が見えた。
そして振り返るとガスの切れた青空の中に“ジャンダルム”の雄姿が。。。
それはホンの一瞬のことでカメラを取り出す前にすぐに霧に覆われてしまった。
時間にして十数秒、ホントにわずかばかりのご褒美か?
“ジャンダルム”に至るルートは、一般登山道としては最難関のルートと言われ
私みたいな一般登山者にとって、その姿はラスボス感が半端ないほどの迫力を漂わせていた。
(たぶん私が近付くことは無いだろう・・・。だって、危ないところ怖いから。)
再びガスが切れるのを期待してしばらくその場で待っていたが、
その後ガスが晴れる事は無かった。

【AM10:00】
山頂からの下山後、テントを撤収する。
雨は降っていなかったが湿度が高く、フライシートには露がビッシリとはりついていた。
タオルで拭き取るが濡れている分、帰りの重量は少し増えるだろう。
午前10時に下山開始。
帰りは昨日登ってきたザイテングラートを涸沢に向けて下る。

ザイテングラートの急な下りが脚に堪える。
脚に負担が掛からないよう、足を滑らさないよう、落石を落とさぬよう、ゆっくり下る。
高度を下げるとガスの濃度も下がり、涸沢が見えてきた。
途中の分岐から、涸沢に下るパノラマコースに入る。
こちらの道からは少し紅葉が見れた。



今年は気温が高く、紅葉の色づきも少し遅め。
それでも十分綺麗で、紅葉の最盛期にはどんな眺めになるのだろうか。

見晴らし岩から涸沢を眺める。
ここまで来れば、涸沢ヒュッテまではもうすぐ。

【PM12:00 涸沢 到着】
今日も涸沢には色とりどりのテントが並んでいた。

涸沢ヒュッテ前にある味のある手書きの案内図。
涸沢周辺の位置関係がわかりやすく描いてある。
「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」の一文も。

涸沢ヒュッテのテラス。
上半分、どんより真っ白・・・ 山頂見えず。
「昨日、頑張って穂高岳山荘まで登ってよかった~!」
(こんな天気だと、辛い登りにはテンションだだ下がりだったと思う。)

ちょうど昼時なので、テラスで昼食。
今度はカレーとおでん。ここのおでんは名物だが、カレーのほうが美味しすぎてビックリ。
「カレー、お替りして~」 (それぐらい美味かった)
この時点で昼の13時。
当初の計画ではここでテント泊の予定だったが、今回の登山は初日の貯金がある。
「さて、今日中にどこまで下ろうか?」
カレーを食べ終えるとちょうど小雨が降ってきた。天気にも急かされて下山を開始する。

【PM14:20 本谷橋】
雨は小雨でレインウェアを着るほどでも無い。

【PM15:20 横尾山荘】
帰りはサクサクと下山。このころには雨も止んでいた。
この時期、上高地からの最終バスは17時。
どんなに急いでも、最終バスには間に合わないのは分かっていた。
実際、長い下りが堪えて脚ガクガク。この時点で身体はけっこう一杯一杯だった。

【PM16:40 徳澤園 到着】
それでも最後の力を振り絞ってココまで下りてきたのは、お目当てのソフトクリームがあるから(笑)
それと徳澤まで降りてくると、近くにある徳澤ロッジでお風呂に入れるんですよね~
徳澤ロッジの外来者用のお風呂は午後8時まで、料金800円と良心的。

このあとは徳澤園でテント泊の手続きをしてから、徳澤ロッジのお風呂で2日分の汗を流す。
夕食は背負ってきた残りの食糧と徳澤ロッジで調達したつまみ。
この登山初めてのビールを一缶開けて、今回の登山の祝杯を上げた。
灯りのともった徳澤園がいい雰囲気。(一度、宿にも泊まってみたいな)

【PM21:00 就寝】
ふんわりとした草地のベッドでゆっくりと眠りにつく。
明日は2時間ほどで上高地に戻るだけだ。

上高地 大正池
【3日目】
今回の奥穂高岳登山も最終3日目。
とは言っても、前日に徳沢まで下りてきているので
この日は2時間ほどかけて上高地まで戻るだけの行程。

【AM5:50 徳澤園】
昨晩の祝杯のビールで酔いがまわり、昨日も良く眠れた。
朝5時起床。
徳澤園のキャンプ場では6時前から空が明るく焼けてくる。
天気予報は悪かったはずだが、思いのほか上天気。
ちゃっちゃとテントを撤収し、6時に徳沢を出発。
(テントの設営と撤収はコツをつかんで、だんだんと早くなってきた)

ここから先はほぼ高低差のない散歩道。
朝飯は歩きながらパンをかじる。モグモグタイムしながら足取りも軽い。

途中、明神館を右折し明神橋を渡る。
時間が有り余っているので、寄り道していこう。

【AM6:50 穂高神社奥宮】
明神池前にある穂高神社奥宮で、今回の登山の無事を感謝しお参りする。
穂高神社の本宮はJR穂高駅のすぐ近くにあり、私も昔から何度もお参りに行っている。
奥穂高岳の山頂に祀られていたのは穂高神社の嶺宮だと、ここで初めて知った。
いつもはこのまま明神館まで戻り、梓川南岸を歩いて帰るのだが
この日は梓川北岸の自然探勝路を歩いてみる。

昇ってきた太陽が背中に当たり、温かくて心地よい。
北岸の探勝路は南岸の道よりも人通りが少なく、静かでいい雰囲気。





道中、癒される景色でいっぱい。
ところどころ足を止めて、上高地の自然を堪能する。
森の中を一人歩いていると、汚れていた自分の心も徐々に洗われていくような気がする。
まさに心の洗濯。

そうこうするうちに河童橋はもうすぐそこ。
ここまで来ると道沿いには山岳リゾート的なホテルや旅館が立ち並んでいる。
ホテル白樺荘の前を通過すると、テラスには綺麗な格好をした人たちが
上高地の景色を眺めながら優雅にお茶をしている。
「あぁ、上高地で優雅なリゾートでもしてみたいな~」
(いくら心の洗濯をしても、私の実態は煩悩まみれである。。。)

白樺荘前の看板。
快晴ならこんな感じで穂高連峰が見渡せる。

今日はこんな感じ、岳沢から上は雲に覆われ真っ白。
やはり初日の天気が一番だったようだ。

【AM8:10 河童橋 到着】
いつもとは逆側の橋のたもとに到着。
徳沢出発から2時間ちょい。
梓川北岸の自然探勝路は南岸の道よりも少し遠回り。
南岸に比べ道幅も狭く木道や階段も多いが、時間や余裕のある人はこちらがお勧め。
上高地に宿泊されて軽装の観光客の方にもちょうど良いトレッキングコースになっている。

昨年は食べられずに涙を飲んだ“河童コロッケ”をいただく。
かわいい河童のマーク、ちなみに味はわさびを少し利かせたわさび風味のコロッケ。
コロッケとわさびが合うのか微妙な気もするが、腹がへっていたら何でも美味い。
腹ごしらえも済んだし、このまま上高地のバスターミナルからバスに乗っても良かったのだが
そのままスグに帰るのも惜しくなり、もうしばらく散策を続けることにする。
ここからは今回の登山のボーナスステージに突入だ。

ウエストン碑

梓川と霞沢岳(標高2646m)

田代池

田代湿原
上高地もすっかり秋の装い。
“上高地”はその美しい景観から「特別名勝」と「特別天然記念物」の二つの称号に認定されている。私も登山や観光で何回も訪れているが、「上高地」の名前の由来が「神降地(神が降りる土地)」といわれるのも分かるような気がする。
上高地の観光スポットは一通り見て廻った。
上高地のバスターミナル周辺に入るととたんに観光客も多くなる。
ザックを背負っている人、カメラぶら下げている人、スニーカーの人、サンダルの人、短パンの人、スカートの人などいろいろ。
砂利道を大きなキャリーケースを引きずって苦労している外国人観光客まで見かけた。
(それはいくらなんでも無理だろ。。。)

焼岳(標高2455m)
火口から噴出した溶岩や火砕流の跡が見える。

【AM9:30 大正池 到着】
河童橋からは4キロ、約1時間の距離。
自分でボーナスステージと言ったものの、重いザックを背負っていたので結構疲れた・・・
しかし、ここが今回の登山の本当のゴール。

大正池は焼岳の大噴火の際に火災泥流が梓川をせき止めてできた池だが、
梓川上流から流れ込む土砂によって年々小さくなっているようだ。
私が小さいときに訪れた大正池は、立ち枯れした木がもっと立ち並んでいて
その頃とは少し景色が変わってきているような気がする。
このあとは大正池のバス停から沢渡の駐車場に戻り、四国への帰路についた。
もちろん帰る前に安曇野に寄って、蕎麦を食べるのは忘れずに。
おいしい蕎麦は信州での登山後の何よりの楽しみだ。
【番外編】
今回、登山で持って行って良かったもの「BEST 3」
〔第3位〕

MAMMUT(マムート)のヘルメット Wall Rider
昨年の槍ヶ岳登山から、登山用のヘルメットの必要性を感じていた。
転倒、滑落はもちろん小さな落石にも頭部を保護するのは非常に大切。
事実、ここ数年で登山者のヘルメット着用率もかなり増えてきていると思われる。
奥穂登山でもザイテングラートから上の登山道では着用している人が多かった。
このヘルメットはとても軽かったので購入。
私が持っているロードバイク、スキー、仕事用のヘルメットの中でも極めて軽量。
実際の強度については不明だが、被ってないよりは断然安心感がある。
〔第2位〕

mont-bell(モンベル)のウォームアップシーツとスリーピングバッグカバー
現在登山で使っている寝袋は、平地でのキャンプで使っていた
モンベル・ULスーパーストレッチダウンハガー#3。
これだと一昨年の常念岳、昨年の槍ヶ岳のテント泊では少々寒かった。
山泊のテントでの寒さはとても堪えるのと、快眠での疲労回復を考えると寝袋は重要。
モンベルの店舗でアルパインダウンハガー800#2を物色するも、高価だし大きくて嵩張る・・・
そんな時に見つけたのがコレ。
実際に今回の登山で使ってみたけど、起毛生地のウォームアップシーツの上にダウンハガー#3、
さらにその上に防水透湿性のスリーピングバッグカバーを重ねる事で暖かくて快適に。
9月末で3000m級のテン場にも係らず、寒さ知らずで問題なく熟睡することが出来た。

しかもスタッフバックに収納すれば軽量、コンパクト。
「なるほど、寝袋もレイヤリング(重ね着)すればいいのね」
(これは目からウロコだった)
〔第1位〕

iPhone 11 Pro
栄えある1位だが、もはや登山道具でも何でも無い。。。
(だが、しかし)
登山に行ったら、綺麗な景色を写真に収めたり、
このようにブログに記録を残して思い出の補完にするのにカメラはとても重要。
しかし登山の荷物の中で圧倒的に重いのがカメラを含めたデジタル機材。
いい写真を撮るために一眼レフカメラと重いレンズを背負って行きたいところだが
全体の重量を考えると限界がある。
私も登山には軽いミラーレスカメラを携帯していたが、それでも重い。
そこで発表されたのがコレ。
予約していて登山の2日前に届いた。iPhone7から3年ぶりの買い替え。
非常に高価な代物だが、買い替えの要因は、ずばり “カメラ”!

この3つのレンズを持ったカメラが素晴らしい。
見た目は完全にボトムズのスコープドック(笑)
(アニメを見てた時期がモロ世代なので、カラーはボトムズを意識してミッドナイトグリーン一択)
広角レンズが好きな私にとっては、特に超広角レンズがついたのが嬉しい。
一時期、カメラのレンズ沼にハマリかけたが今はコレで十分かも?
実際、今回の写真は全てこのiPhoneのカメラで賄った。
(持って行ったミラーレスはずっとザックに中にしまったまま使わず)
まだ届いたばかりで使い方がイマイチ分かっていないが、使いこなせばいい写真が撮れそう。

少し横道にそれましたが、今年の登山もこれにて終了。
燕岳、常念、大天井、槍ヶ岳、奥穂高と来て、来年はどの山に登ろうか今から思案中。
「やっぱり北アルプスかな~?」
【編集後記】
昨年の槍ヶ岳登山の時から構想していた、今回の奥穂高岳登山。
初日は素晴らしい天気に恵まれ、涸沢カールからの景色を存分に堪能できた。
時期的に涸沢の紅葉を見るのには少し早かったが、そのぶん登山道は空いていて快適な登山になった。
「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」と言うとおり、いつかはその紅葉を見に来たいと思う。紅葉最盛期には1000を超えるテントが立ち並ぶというのだから、それはそれで圧巻だろう。
今回は秋登山ということもあり、気温・気候とも非常に良いコンディションの中で登ることが出来た。何より体調が万全で、思いのほかいいペースで3日間歩くことが出来たのは少し自信につながった。
登山は少し余裕があるくらいのほうが安全で楽しい。日頃のトレーニングの大事さが良くわかった登山だった。
ただ心残りなのは、山頂からの眺望だろうか。
仕事の関係でそんなに日程は選べないので仕方が無いが、今度は快晴の山頂に立ってみたい。山頂からの大展望はどんなに苦労しても来る価値のあるものに間違いない。

穂高連峰は他にも、前穂・西穂・北穂・涸沢岳・明神岳と素晴らしい山々があるのでまた訪れる機会もあるだろう。一部の難ルートを除いては、いくつか歩いてみたいルートもあるので今後のお楽しみかな?
また登山の楽しみがひとつ増えた今回の登山だった。
ブログは半休止していますが、それなりにアウトドア活動は続けています。
キャンプ年1回、スキー年3回、磯釣り年3回。 ま~そんな程度ですが・・・
登山は今年7月に、最近登山を始めた従兄弟を連れて
燕岳に日帰り登山して以来2回目です。
さて本題、今年の目的地は奥穂高岳。
昨年、槍ヶ岳に登ったときから今年の目標は奥穂高岳に決めていた。
奥穂高も中学生のときに、涸沢~奥穂~前穂~岳沢のルートで登っている。
今年の計画ルートは
1日目 上高地から涸沢まで上がり、涸沢でテント泊。
2日目 涸沢にテントをデポして、奥穂山頂ピストン、涸沢でもう一泊テント泊。
3日目 涸沢から上高地に下山、そのまま帰宅。
という予定。
涸沢までテント担いで上がれば、奥穂山頂までは軽い荷物であがれるし
涸沢で2泊するのでテントの設営と撤収が1回で済む。
我ながら、いかにズボラで省力登山を目指しているのかがバレてしまう。。。
【1日目 前半】

【AM5:30 沢渡駐車場】
安曇野の家に前泊し、早朝5時に車で沢渡入り。
今回の登山は9月の3連休と紅葉最盛期の10月をかわして
9月最終の金・土・日曜日で日程を設定したが、
前週の3連休が台風だったため多少の混雑を予測していた。
が、始発のバスターミナルには人もまばらで少し肩すかし。。。

【AM6:30 上高地バスターミナル】
6時始発のバスに乗り、上高地のバスターミナルに到着。
バスターミナル横にあるインフォメーションセンターで登山届けを提出。
大きな荷物を背負った登山者が続々と集まってくる。

【AM6:50 河童橋 出発】
今年も河童橋からの出発。朝一で少し肌寒い。
今回の山行は2泊3日のテント泊装備、容量75リットルのザックに荷物満載。
荷物の重量はザック込みで16キロ+食料・水2キロの計18キログラム。
もしこれで天気でも悪ければ、肩に食い込む荷物の重量に比例して気分も重くなるはずだが・・・
しかしこの日の天気は最高!!

河童橋から穂高連峰が見渡せる。
この景色を見るとこれからの山行の期待に気分も軽くなる。
ザックの重さなどまるで気にならない(はずだ)

正面少し右が今回の目的地、奥穂高岳 標高3190m。
雲ひとつ無く、山頂付近まではっきりと見て取れる。
今日の天候は晴れ。しかし明日から天気は徐々に下り坂の予報。

2泊3日の登山のスタートは柔らかな木漏れ日の中、小梨平を通過していく。
しばらくは整備された遊歩道が続く。

【AM7:30 明神池分岐】
歩き始めてから40分で明神館に到着。
ここを左に入ると、明神橋を経由して明神池に行ける。
今回は直進して、まずは徳沢を目指す。

明神岳を左に見ながらしばらく歩く。
昨年の灼熱の夏山登山とはうって変わって、秋晴れの爽やかな登山道を気分良く行く。

【AM8:20 徳沢園】
昨年は初日にテント泊した徳沢園。
今年は初日の目的地、涸沢までサクサクと進む。

【AM9:10 横尾山荘】
河童橋出発から2時間20分で横尾山荘に到着。
ここまではほぼ平坦な道だが、いいペースで進んでいる。
ここで少し休憩。

ここ横尾は穂高岳と槍ヶ岳の分岐点、多くの登山者で賑わっている。
朝飯のパンを頬張りながら見ていると、槍ヶ岳方面に進む人も多かった。

横尾大橋を渡り、涸沢方面に進む。
ここまでのトレッキングエリアとは違い、ここからは徐々に登山道らしくなっていく。
とは言っても、序盤はなだらかな登りで気持ちのいい林間コース。

出発からここまで3時間ほど歩いてきたが、今日はすこぶる調子がいい。
団体さんの登山客を次々とパスしていく。
昨年の槍ヶ岳登山から1年間の間に、いろいろなスポーツイベントにも参加。
徳島マラソン 42.195㎞
安曇野ハーフマラソン 21㎞
びわ湖一周ロングライド 160㎞
富士山一周サイクリング 120㎞
淡路島一周ロングライド 150㎞
全て完走(タイムは恥ずかしいのでノーコメント)
週一回のトレーニングジム通いと合わせて、徐々に効果は現れてきているように思う。
(なぜか体重・体脂肪率・体型は一年前と全然変わっていないのだが・・・)

【AM10:40 本谷橋】
横尾から2.8㎞、涸沢まで2.4㎞にある橋。横尾~涸沢間の中間地点。
沢のすぐそばで日陰があるので多くの登山者が休憩していた。
ここから次第に登山道の傾斜が増していく。
完全に日が昇り、暑くなってきたのでウインドブレーカーを1枚脱いだ。

登山道左手に大岩壁の“屛風岩”

ガレ場を過ぎると徐々に視界が開け、右側前方に涸沢が見えてきた。

木々の間からはっきりと涸沢カールが確認できる。
少しへっこんでいる鞍部に穂高岳山荘があり、その左側が奥穂高岳のはずだ。
素晴らしい天気と眺望にテンションが上がる。

振り返るとだいぶ山深くまで入ってきたことがわかる。
ここから涸沢まではあと1時間ほどの距離か、もう一踏ん張り。

【PM12:30 涸沢ヒュッテ 到着】
本日の目的地、涸沢に到着。
涸沢までの参考コースタイムは上高地から6時間。
私の計画では午後2時に到着する予定だったが、予定より1時間半も早く到着してしまった。
とりあえず涸沢ヒュッテで休憩することにする。

涸沢ヒュッテのテラスから、今日歩いてきた道を振り返る。
手前右が屛風岩。
一番奥に見えるのが、横通岳~東天井岳~大天井岳とつながる一昨年歩いた縦走路。
今年の目標は奥穂高岳の登頂と、ここ涸沢でのテント泊。
涸沢のテント場は全国でも有名な人気のテント場。
ここでのテント泊も楽しみのはずだったが、、、
「今日の調子からは何だか物足りないぞ?」
ここに来て変な欲が心の中で頭をもたげる。
ここから先は今までの登山道とは違い、“ザイテングラート”という難所が待ち受ける。
斜度は急になり、岩場をよじ登るようになると思う。
今日の重量の荷物を背負って行けるだろうか?
時間的にもコースタイム2時間半で登って、穂高岳山荘のテン場にテントを設営できるだろうか?
などなど、冷静に考え直してみる。
「ま~とりあえず飯でも食べて考えようか」

「涸沢ヒュッテのラーメン、最高にウマイ!」

ザイテングラートから涸沢方面をのぞむ
【1日目 後半】
涸沢ヒュッテに到着したものの、時間はまだ昼の12時半。
ここでテントを張って泊まるのも有りだが、
さらに登って穂高岳山荘のテン場でテントを張るのも悪くない。
穂高岳山荘まではコースタイムで2時間半。
ラーメン食べてすぐに出発すれば、到着予想時刻3時半。どんなに遅くとも4時には着けるだろう。
日没まではまだ時間がある。

待ち受けるは奥穂登山の難所といわれる“ザイテングラート”
問題はここをテント装備の重い荷物を背負って登らないといけないのと、
夕方4時に上のテン場についてもテントを張る場所があるかどうか。
涸沢ヒュッテの受付の人に、
この時間から上がって穂高岳山荘のテン場が空いているか聞いてみた。
受付の人 「上にいってみないとわかりません。」
至極、真っ当な答えである。。。

涸沢カールの眺めはこの通り。
肉眼でも、ザイテングラートの先に穂高岳山荘が佇んでいるのが見える。
「これはもう行くしかないでしょ!」
明日から天気は下り坂。
天気の良いうちにこの眺めを見ながら登るのが一番いいと判断した。
そうと決まれば、ラーメンのスープを最後の一滴まで飲み干してスグに出発。

【PM13:00 涸沢ヒュッテ 出発】
涸沢のテント場にはすでに多くの人がテントを張っている。
テント場の上部に建っているのが涸沢小屋。
その上にそびえ立つのが北穂高岳(標高3106m)だろう。
涸沢のテントでビールを飲みながらくつろいでいる登山客を横目に先に進む。。。

涸沢小屋の横を通過して、最初の登りはこんな感じ。
岩々(いわいわ)だけど、しっかり整備されていて浮石も無いので登りやすい。
涸沢小屋から上は持参したヘルメットを装着。ここから先は落石注意。

涸沢カールの斜面をトラバースして、ザイテングラートにむかう。
ここらへんはまだなだらか。

ザイテングラート取り付き部
少し左に巻いてから、中央のこんもりとした部分を上がっていく。
ここから急に斜度が上がるので、ポールをザックにしまい気を引き締める。

斜度が上がると、登山道の半分は両手両足を使っての岩登り。
荷物は重いが手も使って登るので、荷重が分散してわりと楽かも?
ザイテングラートは難所と呼ばれている割りに決して難しい岩場では無いが、
過去にここで何度も滑落などの重大事故が起きているらしい、油断禁物。
途中、鎖場と梯子が1箇所づつある。

ヒイヒイ言いながら、核心部っぽいところを過ぎると、そこは最高の眺め。
涸沢からだいぶ上がってきたのが一目でわかる。
紅葉はまだまだのようだけど、十二分に美しい景色。

左手に見える前穂高岳(標高3090m)の姿が見事だ。
この景色が、何万年もかけて氷河で削られて出来たものだと考えるとスゴイ。
ここまで来ればもう一息かな?
涸沢小屋からほぼ同じペースでここまで登ってこられた二人組の山ガールさんと
写真撮ったり、撮ってもらったり。ここまでの苦労を分かち合う。

程なくして穂高岳山荘が見えてきた。

ゴールはもうすぐ!
最後の斜面をあがる。

【PM15:30 穂高岳山荘 到着】
涸沢からちょうどコースタイム通りの2時間半で穂高岳山荘に到着。
今日のスタート、河童橋から8時間半でのゴール。
「やっと着いた。。。」
まずはテントを張る場所の確保。
テン場は山荘のすぐ横にある。

穂高岳山荘のテン場は収容数30張りから40張り。
着いたところ、設営しているテントは10張りほどでまだまだ余裕がありそう。
ホッとしてテントを張る場所を決めて座り込む。。。

「よくやった、俺!」
疲れて、もう動く気にもならない・・・

しばらく休憩後、穂高岳山荘でテントの受付。
テントは張り数に関係無く、1人1000円。
私はソロなので当然1張り1000円。トイレ、洗面、水の料金込みとリーズナブル。
外来者用のトイレも綺麗(あくまで山小屋レベルですが)
そして、ここ穂高岳山荘は水がウマイ!
炊事や飲料用に水は汲み放題、場所のわりに水量が豊富に感じた。
(もちろん節水第一ですが)
今日の我が家の設営完了。

下が平らで眺めの良い、わりといい場所が残っていた。
標高3000mの我が家。

眺め最高。
正面に前穂高岳が見える。
コーヒーを沸かして、狭いリビング(?)で寛ぐ、満ち足りた時間。
これなら重いテント背負ってくる甲斐があるかな。。。

上からは涸沢のテントも豆粒ぐらい小さく見える。
この時点で夕方5時をまわったところ。
まだ明るいが、秋で日没が早いので山頂には明日登ることにした。

穂高岳山荘の中で先にお土産を買っておく。
夕方4時までに頼めば、山荘内での夕食も可能らしいが、
今日は持ってきた食糧を食べて、少しでも荷物を軽くしておこう。

夕飯は下から担ぎ上げた、コンビニのにぎりめしとフリーズドライ食品。
少し物足りないが、今日は疲れたので早く食べて早く寝よう。
私は下戸で高山でビールは飲まないが、山荘で買ったつまみのスナック菓子がやけにうまかった。
(痩せない原因はここだろう)

今日はいい天気だったが、少し雲が出てきた。
山小屋に掲示されていた気象情報によると、明日の天気は曇りのち雨。
未明から朝はにわか雨の可能性。日中は稜線が霧に包まれて風が強まり、
次第に雨が降ったり止んだりの天気に。 と書いてあった。
つまり明日は天気が悪く、眺望は期待できないってことね。。。

夕暮れはこんな感じ。雲が多く、辛うじて空が焼けているのがわかる。
山に来れば悪天候は付き物、今までも何度も経験してきているので特に問題はない。
でも・・・
「せめて雨さえ降らなければいいかな、出来れば強風も勘弁。もしかして晴れたりして!?」
けっこう欲張りな願いである(笑)

日も暮れて、穂高岳山荘にも灯りがともる。
明日の好天を願いつつ、今日は寝よう。
「おやすみなさい。」

奥穂高岳 標高3190m
奥穂高岳は、中部山岳国立公園の飛騨山脈にある標高3190mの山。
穂高岳の主峰、日本第3位の高峰。日本百名山に選定されている。
北は大キレットの峻険な登降を経て、南岳、大喰岳の先の槍ヶ岳に連なり、
南は西穂高岳に至る痩せ尾根を経て焼岳に連なる。
また吊り尾根を経て前穂高岳に至り、カールを下れば上高地河童橋に至る。
奥穂高岳を含む穂高連峰は、剱岳・谷川岳と共に日本三大岩場に数えられ、
難易度の高い縦走路や登攀ルートを数多く抱えている。
その迫力のある急峻な岩稜、稜線からのパノラマ、涸沢からの
壮大な眺めなどが多くの登山者を魅了している。
(引用文)
【2日目】
奥穂高岳登山も2日目。
この日は穂高岳山荘から奥穂高岳山頂に向かう。
昨晩は風も無く、昨日の登山の疲れからかよく眠れた。
朝5時起床。

テントの外はすでに薄明るくなっていたが、、、 周囲真っ白。
雨こそ降っていなかったが、概ね天気予報のとおり・・・
この日は行程的にそんなに急ぐ事も無かったので、
テントの中で朝飯のラーメンを食べながら、ガスが晴れるのを待ってみる。

朝は少し寒かったため、山荘に移動しストーブに当たりながらコーヒーを頂く。
山荘で1時間ほど様子を見ていたが、外の様子は一向に変わらないので山頂に向かう事にした。

【AM7:00 穂高岳山荘 出発】
穂高岳山荘から奥穂高岳山頂まではコースタイム50分。
同じく山荘で待機していた他の登山者も徐々に登頂を開始する。
あまり遅くなると、涸沢から登ってくる登山者とバッティングして混雑も予想される。

最初は急な岩登り。
雨は降っていないが岩場が濡れているので足場が多少滑る。

3点支持の基本を忠実に守り、慎重に登る。
ザックは少量の荷物を入れたアタックザックなので身体は軽い。

登りの序盤に鎖場と梯子がある。
槍ヶ岳と比べてどちらも短い区間だけど、鎖も梯子も滑るので注意が必要。
この時間は下山してくる人も少なく、行き違いの渋滞はしていない。

最初の急な岩登りを終えると、あとは徐々に緩やかな登りになる。
既に稜線に出ているが、周りは相変わらずガスに覆われている。
山頂から降りてきた登山者と話しても、上(山頂)も同じだって。
しばらく登っていくが、ガスが濃くてどれがピークかよく分からない。

登頂開始から30分。霧の中に山頂が見えてきた。


【AM7:40 奥穂高岳山頂 到着】
穂高岳山荘から40分。昨日の上高地の出発から合計9時間ほどで
奥穂高岳山頂に到達。

親に連れられて中学生の時に登って以来、32年ぶり2回目の登頂。
日本第3位の山頂。
昨日の重い荷物を背負っての登攀。山頂までの岩登り。
山頂に立った達成感とともに
「何も見えね~」
景色真っ白。。。
(これは仕方ない・・・)

快晴ならここから穂高連峰の山々、焼岳・笠ヶ岳・槍ヶ岳・常念岳の360°の大展望。
そして真近には“ジャンダルム”が大迫力で見えるはずだ。
山頂で他の登山者の方とお話ししながら20分ほどガスが晴れるのを待っていたが、
「今日は無理か。」
風が吹いて、雨が降ってこないうちに下山を開始する。

山頂から半分ぐらい降りてきた頃に少しだけガスがはれてきた。
今まで霧に包まれていた、向かいの涸沢岳(標高3110m)が見えた。
そして振り返るとガスの切れた青空の中に“ジャンダルム”の雄姿が。。。
それはホンの一瞬のことでカメラを取り出す前にすぐに霧に覆われてしまった。
時間にして十数秒、ホントにわずかばかりのご褒美か?
“ジャンダルム”に至るルートは、一般登山道としては最難関のルートと言われ
私みたいな一般登山者にとって、その姿はラスボス感が半端ないほどの迫力を漂わせていた。
(たぶん私が近付くことは無いだろう・・・。だって、危ないところ怖いから。)
再びガスが切れるのを期待してしばらくその場で待っていたが、
その後ガスが晴れる事は無かった。

【AM10:00】
山頂からの下山後、テントを撤収する。
雨は降っていなかったが湿度が高く、フライシートには露がビッシリとはりついていた。
タオルで拭き取るが濡れている分、帰りの重量は少し増えるだろう。
午前10時に下山開始。
帰りは昨日登ってきたザイテングラートを涸沢に向けて下る。

ザイテングラートの急な下りが脚に堪える。
脚に負担が掛からないよう、足を滑らさないよう、落石を落とさぬよう、ゆっくり下る。
高度を下げるとガスの濃度も下がり、涸沢が見えてきた。
途中の分岐から、涸沢に下るパノラマコースに入る。
こちらの道からは少し紅葉が見れた。



今年は気温が高く、紅葉の色づきも少し遅め。
それでも十分綺麗で、紅葉の最盛期にはどんな眺めになるのだろうか。

見晴らし岩から涸沢を眺める。
ここまで来れば、涸沢ヒュッテまではもうすぐ。

【PM12:00 涸沢 到着】
今日も涸沢には色とりどりのテントが並んでいた。

涸沢ヒュッテ前にある味のある手書きの案内図。
涸沢周辺の位置関係がわかりやすく描いてある。
「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」の一文も。

涸沢ヒュッテのテラス。
上半分、どんより真っ白・・・ 山頂見えず。
「昨日、頑張って穂高岳山荘まで登ってよかった~!」
(こんな天気だと、辛い登りにはテンションだだ下がりだったと思う。)

ちょうど昼時なので、テラスで昼食。
今度はカレーとおでん。ここのおでんは名物だが、カレーのほうが美味しすぎてビックリ。
「カレー、お替りして~」 (それぐらい美味かった)
この時点で昼の13時。
当初の計画ではここでテント泊の予定だったが、今回の登山は初日の貯金がある。
「さて、今日中にどこまで下ろうか?」
カレーを食べ終えるとちょうど小雨が降ってきた。天気にも急かされて下山を開始する。

【PM14:20 本谷橋】
雨は小雨でレインウェアを着るほどでも無い。

【PM15:20 横尾山荘】
帰りはサクサクと下山。このころには雨も止んでいた。
この時期、上高地からの最終バスは17時。
どんなに急いでも、最終バスには間に合わないのは分かっていた。
実際、長い下りが堪えて脚ガクガク。この時点で身体はけっこう一杯一杯だった。

【PM16:40 徳澤園 到着】
それでも最後の力を振り絞ってココまで下りてきたのは、お目当てのソフトクリームがあるから(笑)
それと徳澤まで降りてくると、近くにある徳澤ロッジでお風呂に入れるんですよね~
徳澤ロッジの外来者用のお風呂は午後8時まで、料金800円と良心的。

このあとは徳澤園でテント泊の手続きをしてから、徳澤ロッジのお風呂で2日分の汗を流す。
夕食は背負ってきた残りの食糧と徳澤ロッジで調達したつまみ。
この登山初めてのビールを一缶開けて、今回の登山の祝杯を上げた。
灯りのともった徳澤園がいい雰囲気。(一度、宿にも泊まってみたいな)

【PM21:00 就寝】
ふんわりとした草地のベッドでゆっくりと眠りにつく。
明日は2時間ほどで上高地に戻るだけだ。

上高地 大正池
【3日目】
今回の奥穂高岳登山も最終3日目。
とは言っても、前日に徳沢まで下りてきているので
この日は2時間ほどかけて上高地まで戻るだけの行程。

【AM5:50 徳澤園】
昨晩の祝杯のビールで酔いがまわり、昨日も良く眠れた。
朝5時起床。
徳澤園のキャンプ場では6時前から空が明るく焼けてくる。
天気予報は悪かったはずだが、思いのほか上天気。
ちゃっちゃとテントを撤収し、6時に徳沢を出発。
(テントの設営と撤収はコツをつかんで、だんだんと早くなってきた)

ここから先はほぼ高低差のない散歩道。
朝飯は歩きながらパンをかじる。モグモグタイムしながら足取りも軽い。

途中、明神館を右折し明神橋を渡る。
時間が有り余っているので、寄り道していこう。

【AM6:50 穂高神社奥宮】
明神池前にある穂高神社奥宮で、今回の登山の無事を感謝しお参りする。
穂高神社の本宮はJR穂高駅のすぐ近くにあり、私も昔から何度もお参りに行っている。
奥穂高岳の山頂に祀られていたのは穂高神社の嶺宮だと、ここで初めて知った。
いつもはこのまま明神館まで戻り、梓川南岸を歩いて帰るのだが
この日は梓川北岸の自然探勝路を歩いてみる。

昇ってきた太陽が背中に当たり、温かくて心地よい。
北岸の探勝路は南岸の道よりも人通りが少なく、静かでいい雰囲気。





道中、癒される景色でいっぱい。
ところどころ足を止めて、上高地の自然を堪能する。
森の中を一人歩いていると、汚れていた自分の心も徐々に洗われていくような気がする。
まさに心の洗濯。

そうこうするうちに河童橋はもうすぐそこ。
ここまで来ると道沿いには山岳リゾート的なホテルや旅館が立ち並んでいる。
ホテル白樺荘の前を通過すると、テラスには綺麗な格好をした人たちが
上高地の景色を眺めながら優雅にお茶をしている。
「あぁ、上高地で優雅なリゾートでもしてみたいな~」
(いくら心の洗濯をしても、私の実態は煩悩まみれである。。。)

白樺荘前の看板。
快晴ならこんな感じで穂高連峰が見渡せる。

今日はこんな感じ、岳沢から上は雲に覆われ真っ白。
やはり初日の天気が一番だったようだ。

【AM8:10 河童橋 到着】
いつもとは逆側の橋のたもとに到着。
徳沢出発から2時間ちょい。
梓川北岸の自然探勝路は南岸の道よりも少し遠回り。
南岸に比べ道幅も狭く木道や階段も多いが、時間や余裕のある人はこちらがお勧め。
上高地に宿泊されて軽装の観光客の方にもちょうど良いトレッキングコースになっている。

昨年は食べられずに涙を飲んだ“河童コロッケ”をいただく。
かわいい河童のマーク、ちなみに味はわさびを少し利かせたわさび風味のコロッケ。
コロッケとわさびが合うのか微妙な気もするが、腹がへっていたら何でも美味い。
腹ごしらえも済んだし、このまま上高地のバスターミナルからバスに乗っても良かったのだが
そのままスグに帰るのも惜しくなり、もうしばらく散策を続けることにする。
ここからは今回の登山のボーナスステージに突入だ。

ウエストン碑

梓川と霞沢岳(標高2646m)

田代池

田代湿原
上高地もすっかり秋の装い。
“上高地”はその美しい景観から「特別名勝」と「特別天然記念物」の二つの称号に認定されている。私も登山や観光で何回も訪れているが、「上高地」の名前の由来が「神降地(神が降りる土地)」といわれるのも分かるような気がする。
上高地の観光スポットは一通り見て廻った。
上高地のバスターミナル周辺に入るととたんに観光客も多くなる。
ザックを背負っている人、カメラぶら下げている人、スニーカーの人、サンダルの人、短パンの人、スカートの人などいろいろ。
砂利道を大きなキャリーケースを引きずって苦労している外国人観光客まで見かけた。
(それはいくらなんでも無理だろ。。。)

焼岳(標高2455m)
火口から噴出した溶岩や火砕流の跡が見える。

【AM9:30 大正池 到着】
河童橋からは4キロ、約1時間の距離。
自分でボーナスステージと言ったものの、重いザックを背負っていたので結構疲れた・・・
しかし、ここが今回の登山の本当のゴール。

大正池は焼岳の大噴火の際に火災泥流が梓川をせき止めてできた池だが、
梓川上流から流れ込む土砂によって年々小さくなっているようだ。
私が小さいときに訪れた大正池は、立ち枯れした木がもっと立ち並んでいて
その頃とは少し景色が変わってきているような気がする。
このあとは大正池のバス停から沢渡の駐車場に戻り、四国への帰路についた。
もちろん帰る前に安曇野に寄って、蕎麦を食べるのは忘れずに。
おいしい蕎麦は信州での登山後の何よりの楽しみだ。
【番外編】
今回、登山で持って行って良かったもの「BEST 3」
〔第3位〕

MAMMUT(マムート)のヘルメット Wall Rider
昨年の槍ヶ岳登山から、登山用のヘルメットの必要性を感じていた。
転倒、滑落はもちろん小さな落石にも頭部を保護するのは非常に大切。
事実、ここ数年で登山者のヘルメット着用率もかなり増えてきていると思われる。
奥穂登山でもザイテングラートから上の登山道では着用している人が多かった。
このヘルメットはとても軽かったので購入。
私が持っているロードバイク、スキー、仕事用のヘルメットの中でも極めて軽量。
実際の強度については不明だが、被ってないよりは断然安心感がある。
〔第2位〕

mont-bell(モンベル)のウォームアップシーツとスリーピングバッグカバー
現在登山で使っている寝袋は、平地でのキャンプで使っていた
モンベル・ULスーパーストレッチダウンハガー#3。
これだと一昨年の常念岳、昨年の槍ヶ岳のテント泊では少々寒かった。
山泊のテントでの寒さはとても堪えるのと、快眠での疲労回復を考えると寝袋は重要。
モンベルの店舗でアルパインダウンハガー800#2を物色するも、高価だし大きくて嵩張る・・・
そんな時に見つけたのがコレ。
実際に今回の登山で使ってみたけど、起毛生地のウォームアップシーツの上にダウンハガー#3、
さらにその上に防水透湿性のスリーピングバッグカバーを重ねる事で暖かくて快適に。
9月末で3000m級のテン場にも係らず、寒さ知らずで問題なく熟睡することが出来た。

しかもスタッフバックに収納すれば軽量、コンパクト。
「なるほど、寝袋もレイヤリング(重ね着)すればいいのね」
(これは目からウロコだった)
〔第1位〕

iPhone 11 Pro
栄えある1位だが、もはや登山道具でも何でも無い。。。
(だが、しかし)
登山に行ったら、綺麗な景色を写真に収めたり、
このようにブログに記録を残して思い出の補完にするのにカメラはとても重要。
しかし登山の荷物の中で圧倒的に重いのがカメラを含めたデジタル機材。
いい写真を撮るために一眼レフカメラと重いレンズを背負って行きたいところだが
全体の重量を考えると限界がある。
私も登山には軽いミラーレスカメラを携帯していたが、それでも重い。
そこで発表されたのがコレ。
予約していて登山の2日前に届いた。iPhone7から3年ぶりの買い替え。
非常に高価な代物だが、買い替えの要因は、ずばり “カメラ”!

この3つのレンズを持ったカメラが素晴らしい。
見た目は完全にボトムズのスコープドック(笑)
(アニメを見てた時期がモロ世代なので、カラーはボトムズを意識してミッドナイトグリーン一択)
広角レンズが好きな私にとっては、特に超広角レンズがついたのが嬉しい。
一時期、カメラのレンズ沼にハマリかけたが今はコレで十分かも?
実際、今回の写真は全てこのiPhoneのカメラで賄った。
(持って行ったミラーレスはずっとザックに中にしまったまま使わず)
まだ届いたばかりで使い方がイマイチ分かっていないが、使いこなせばいい写真が撮れそう。

少し横道にそれましたが、今年の登山もこれにて終了。
燕岳、常念、大天井、槍ヶ岳、奥穂高と来て、来年はどの山に登ろうか今から思案中。
「やっぱり北アルプスかな~?」
【編集後記】
昨年の槍ヶ岳登山の時から構想していた、今回の奥穂高岳登山。
初日は素晴らしい天気に恵まれ、涸沢カールからの景色を存分に堪能できた。
時期的に涸沢の紅葉を見るのには少し早かったが、そのぶん登山道は空いていて快適な登山になった。
「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」と言うとおり、いつかはその紅葉を見に来たいと思う。紅葉最盛期には1000を超えるテントが立ち並ぶというのだから、それはそれで圧巻だろう。
今回は秋登山ということもあり、気温・気候とも非常に良いコンディションの中で登ることが出来た。何より体調が万全で、思いのほかいいペースで3日間歩くことが出来たのは少し自信につながった。
登山は少し余裕があるくらいのほうが安全で楽しい。日頃のトレーニングの大事さが良くわかった登山だった。
ただ心残りなのは、山頂からの眺望だろうか。
仕事の関係でそんなに日程は選べないので仕方が無いが、今度は快晴の山頂に立ってみたい。山頂からの大展望はどんなに苦労しても来る価値のあるものに間違いない。

穂高連峰は他にも、前穂・西穂・北穂・涸沢岳・明神岳と素晴らしい山々があるのでまた訪れる機会もあるだろう。一部の難ルートを除いては、いくつか歩いてみたいルートもあるので今後のお楽しみかな?
また登山の楽しみがひとつ増えた今回の登山だった。