2018年6月 残雪の燕岳登山

6月の燕岳に登ってきました。

今回は、残雪の残る6月の燕岳に登ってきました。
この日は6月3日に行われた第4回安曇野ハーフマラソンに参加。
そのまま帰るのはもったいないので、休暇をとってそのまま安曇野にとどまり
翌日に燕岳登山を計画していた。

安曇野ハーフマラソンは今年で3回目の出場。
毎年、それぞれ遠方で暮らしている兄弟3人が、年に1回集まり参加している恒例行事。
結果は、暑い晴天の中バテバテになりながらもなんとか完走。
自己記録更新。

翌朝、5時起床。
前日のマラソンの筋肉痛をひきづりながら登山口の中房温泉に到着。
平日の月曜日ということもあり、駐車場は一番手前の第一駐車場に余裕で停められた。

こちらで登山届けを提出。
今回の予定は、燕岳登ってそのまま帰ってくるだけの日帰り登山。

【AM6:40 登山口出発】
いつも通り、出だしの急登をひたすら登っていく。
前日に自分の体力の全てを出し切ったマラソンの代償で身体はボロボロ・・・
疲労で重い足と、全身筋肉痛のぎくしゃくとした動きで全然スピードは上がらない。
(一応、1ヵ月ほどはジョギングしてトレーニングしたんだけどなぁ)

【AM7:10 第一ベンチ到着】
それでも30分ほどで第一ベンチに到着。
燕岳は子供の頃から、登山・ハイキング・縦走含めて10回は足を踏み入れているので
身体は疲れていても、登っていてとても安心感がある。

【AM7:40 第二ベンチ到着】
マイペースな登りスピードで、ベンチ間を30分ペースで通過。
重くて動きずらかった身体も少しづつ慣れてきた。
ただ、このへんから気温が上がってきて暑い。
昨日のマラソンも27℃ほどあったが、この日もそれぐらいまで上がりそう。
「残雪目当てに登りに来たのに、これじゃ夏山登山だな」

【AM8:10 第三ベンチ到着】
第三ベンチは、登山者と今朝・山頂から降りてきた下山者で賑わっていた。
下山してきた人曰く、昨日の山頂の景色は素晴らしかったらしい。
期待に少し胸が踊る。

このあたりから時折、木々の間から山の景色がのぞく。
たしかに天気は雲ひとつ無い、絶好の登山日和。
同じペースで登るほかの登山者と「あれはどこの山だろうか」と話しながら
楽しく歩を進める。

【AM8:40 富士見ベンチ到着】
ここで始めて荷物を下ろして補給食をとり、少し休憩。
このベンチも木陰になっているが、少し開けた視界の正面に富士山が見える。
その名のとおり「富士見ベンチ」
でも、いつも見られる訳ではないので今日の素晴らしい天気のおかげかな。

【AM9:10 合戦小屋到着】
ここまできっかり、ベンチ間30分ペースで合戦小屋まで到着。
私の登るタイムは時計をみて決めている訳でもなく、あとでスマホの写真記録で
時間を確認しているだけ。
登山者それぞれが登るペースを考えて、均等に配置されている各ベンチと
それを整備してくれている人の存在に気づき、ちょっと感心してしまった。
ホント、燕岳は登りやすい山です。

合戦小屋は現在トイレの建替え中。
もちろん仮設トイレが設置してありトイレは使える。
名物のスイカもこの日はまだ販売していないみたい。「まだ6月だしな・・・」
それにしても、この日は暑く。昨年の同じ時期に登ったときとは全然、景色が違った。

2017年6月5日 撮影

2018年6月4日 撮影
ここから先は残雪が予想されるけど、それにしても雪が少ない。
合戦小屋に下りてくる人を観察していても、靴にアイゼンやチェーンスパイクなどの
滑り止めをつけて下りてくる人はほとんど居なかった。
(せっかく、この日のために6本爪の軽アイゼン買ってきたのに・・・)
とりあえず様子を見て、アイゼンはつけずに先に進む。
すると。。。

「雪だ~!」
この日の高い気温で雪はグサグサに緩んでいるので
アイゼンつけなくても軽いキックステップで登っていけそう。

【AM9:50 合戦尾根の頭】
ここから先もだいぶ雪が残っていた。

雪上には目印が立っていて、他の登山者の踏み跡もあるので迷う事も無く安全だ。
雪の上は少し歩きにくいが、ザックザックと雪を踏む音はなんとも涼しげに聞こえる。
時々、雪を拾って頭や首筋を冷やすと冷たくて気持ちいい。

ここから燕山荘までは尾根伝いの道になり、見晴らしも良い。
振り返ると安曇野の町まで綺麗に見える。
前を向くと残雪の白、振り返ると6月の新緑の緑と、この時期ならではの眺め。

燕山荘直下
「ここより先山頂まで雪はありません。アイゼンは不要です。」
の看板
この時期、燕山荘までは夏道を使わず冬道を行く。

いつも通る夏道はこんな感じで雪に覆われていた。

なので、燕山荘まで直登の冬道を行く。
こちらは雪は全く無い。直登りで急に感じるが、
燕山荘がすぐそばまで見えているのでそんなに苦では無かった。

【AM10:40 燕山荘到着】
いつもの正面玄関ではなく、裏口に到着。
登山開始からちょうど4時間。
目の前には燕岳山頂が見えている。

“山男の像”
(燕山荘のマスコット的存在。ほかに名前ないのかな?)
昨年の常念縦走から、ほぼ一年ぶりの対面。

ここから燕岳山頂までは1km、約30分の距離。

この日は雲ひとつ無い素晴らしい天気。
“アルプスの女王”と呼ばれる燕岳も、いつにも増して美しい。

昨年登った大天井岳、そして雪を残した槍ヶ岳も綺麗に見える。
ここからは花崗岩の造詣と素晴らしい景色を見ながら山頂へのさんぽ道。
登山者へのご褒美ですね。

「イルカ岩と槍ヶ岳」

「メガネ岩と槍ヶ岳」

「山肌にたつ燕山荘」
いつまで見ていても飽きない美しさ。
ここまで来たら、ホント疲れ忘れますね。
しばらく歩いていると、他の登山者が雷鳥の居場所を教えてくれた。
すぐに行ってみると雷鳥発見。

一緒に観察していた人曰く、オスらしい。
雷鳥は、夏は褐色・冬は純白と季節にあわせて羽毛の色が変化するのが特徴だが、
春の雷鳥は黒い羽毛が混じるそうだ。
目の上の赤色の肉冠がオスの特徴らしいです。(ウィキ調べ)
(純白の雷鳥見るには、冬山にのぼりに来ないといけないのか・・・)
「私の技量ではしばらくは無理かな?」

「槍ヶ岳と雷鳥」
なんでも槍ヶ岳と一緒に撮ろうとする構図のワンパターンさ・・・(笑)
でも誰が撮っても絵になる燕岳って最高ですね。

あと100m。白い砂浜のような花崗岩砂礫が美しい。
それと晴れ渡った紺碧の空。

そして山頂へ

【AM11:40 燕岳山頂到着】
通常30分の道のりを、景色見ながら・雷鳥観察しながら1時間かけて到着。

登山口から計5時間の山登り。
燕岳には何回も登っているが、これほどの天気は記憶にない。
頂上からの眺め

北燕岳、立山連峰方面

常念岳、大天井岳方面

槍ヶ岳

眼下には安曇野の町まで綺麗に見える
この時間、人が来ないことをいいことに20分ほど一人で頂上に滞在していた。
何だか、この眺めを独り占めの贅沢な時間。
写真撮ったり、ただボーっと景色を眺めていた。
「なごり惜しいですが、そろそろ帰りましょうか」

メガネ岩にサングラス

イルカにレモン。
帰りながら少し遊ぶ。。。

燕山荘に立ち寄り、水分の補給とお土産を買う。
燕山荘はランチや喫茶メニューも豊富だが、ここは我慢。
帰宅時間のこともあるので、さっさと下山。

【PM15:40 登山口到着】
下山は燕山荘から2時間40分。
このころは前日の足の痛みも感じず、楽々到着。
(これはマラソンのトレーニングの成果が出ているな!?)
【編集後記】
今回は素晴らしい天気の中、残雪の燕岳に登ることができた。
(これを書いている日の)明日17日は父の日だが、今年3月に父が他界した。
親父は昔から山好きで、私も小さい頃から半ば無理やり登山に連れて行かれていた。
一緒に登った山は、燕をはじめ常念・蝶・大天井・槍・奥穂など。
特に燕岳は家族で何回も登った山だ。
最高の天気に恵まれて良い追悼登山になった。
登山をしなくなってからだいぶブランクが空いていたが、
昨年の常念~燕縦走など徐々に山に登る体力も出来てきたようだ。
特に今回は前日のハーフマラソン21kmとあわせて日帰り13kmの登山、
夏に向けてのいいトレーニングになった。
夏の目標はやっぱり“槍”かな?
そろそろルートなど計画をたてようか思案中。

この登山の次の日、遅れて猛烈な筋肉痛が全身をおそった・・・
「やっぱりトレーニングは続けよう。。。」